2020年5月
(書籍)ハイエントロピー合金; 第4章 力学特性のモデリング
(書籍)ハイエントロピー合金; カクテル効果が生み出す多彩な新物性
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- 開始ページ
- 107
- 終了ページ
- 158
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
多元素が等モル比で含まれ、準安定状態でありかつ結晶構造を有するハイエントロピー合金は、これまでの一般的な希薄合金にない特異な力学特性を示すことが知られており、それらを生かすことにより、優れた力学特性を有する構造材料が創製できるものと期待されている。特に、強度と延性の両立、低温や高温での優れた強度や変形特性、高い耐水素脆化特性や耐食性などに優れた構造材料の実現が期待されている。ハイエントロピー合金がもつ従来合金とは異なる特異な力学特性の根源は、多元素種が不規則に近い原子種配置をとっていることに起因しているのは間違いない。したがって、力学特性を根源から明らかにするためには、原子スケールにまで踏み込んで、原子構造を陽に扱うモデリングや計算機シミュレーションが必要不可欠となる。本章では、原子モデルを基本とした力学特性のモデリングの方法について紹介する。