共同研究・競争的資金等の研究課題

2015年4月 - 2018年3月

多角化の経済的価値:従業員の視点からの実証分析

文部科学省・日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(C)

課題番号
15K03617
体系的課題番号
JP15K03617
担当区分
研究代表者
資金種別
競争的資金

この研究では、企業の産業多角化が従業員にもたらす影響を、特に賃金に注目して実証的に分析した。多角化による内部資本市場の形成は、事業間のコインシュランスを通じて企業の安定性を高めるものと考えられるが、それが賃金に及ぼす影響は従業員の交渉力によって質的に変化する可能性がある。2001年から2010年の日本の上場企業のデータに基づく分析の結果は、この仮説と整合的である。具体的には、労働組合の無い企業では多角化が給与にマイナスの影響を及ぼすのに対し、組合の存在する企業では影響がプラスになることが示された。これは従来の研究では知られていない新しい発見である。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-15K03617
ID情報
  • 課題番号 : 15K03617
  • 体系的課題番号 : JP15K03617