共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年7月 - 2024年3月

自律神経指標を用いた慢性痛の原因鑑別と治療方法の開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業  挑戦的研究(萌芽)

課題番号
21K19733
体系的課題番号
JP21K19733
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
5,460,000円
(直接経費)
4,200,000円
(間接経費)
1,260,000円

本研究の目的は、慢性の痛みの原因が中枢神経の可塑的変化(中枢性感作)である場合に、その異常を自律神経指標で検出可能であると明らかにすることである。
2022年度は中枢性感作を有する対象が自律神経異常を有するかどうかを検討した。本学の附属病院にて変形性股関節症患者10例を対象として、中枢性感作の有無および認知負荷時の自律神経反応を観察した。結果として、10例中5例に中枢性感作があり、5例とも認知負荷時の交感神経活動が変化に乏しい、もしくは低下する傾向を示した。本研究の予備研究として本学大学生に同様の計測を行った際、認知負荷とともに交感神経は興奮しており、有意差が得られている。さらに、先行研究(Vasan 2017)でも同様の反応があり、中枢性感作を有する5例の反応は正常から逸脱している傾向があると言える。計測は現在も続いており、目標数に至るまで計測を継続する予定である。
上述した研究にて中枢性感作があれば自律神経異常があると明らかにできた後、介入研究にて中枢性感作および自律神経異常の改善を試みる。特に、自律神経異常に対して有効とされる有酸素運動を用いることで、改善が可能ではないかと考えている。この仮説を検証するため、本学市川および成田病院にて介入研究が実施できるよう、関係各所と調整を行っている段階である。両病院の整形外科医と調整はおおよそ終了し、同意を得ている。現在は倫理申請書類の作成を実施しつつ、実際に計測・介入を行う両病院リハビリテーション科スタッフと調整を進めている。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K19733
ID情報
  • 課題番号 : 21K19733
  • 体系的課題番号 : JP21K19733

この研究課題の成果一覧

論文

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