非共鳴磁気X線回折による磁気ドメインの観測
第30回日本放射光学会年会・放射光科学合同シンポジウム
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- 開催年月日
- 2017年1月
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 開催地
- 神戸
- 国・地域
- 日本
永久磁石などの強磁性体の内部の磁区構造については、意外にも適当な観察手法が存在しない。本研究では、集光性に優れ微小領域測定に適した放射光を用い、加えて侵入長の長い高エネルギーX線を利用することにより、磁性体内部の磁区構造の観察が可能な顕微磁気測定法を開発する。実験はSPring-8 BL22XUで行い、試料はストライプ状に着磁された鉄の薄板状の高配向結晶を用いた。入射X線のエネルギーは17.4keVを選択し、Si(880)チャンネルカット結晶を通して直線偏光度を向上させた。直線偏光はダイヤモンド移相子(diamond(440))で楕円偏光に変換し、屈折レンズで試料上に集光した。集光サイズは20マイクロメートル弱と推定する。磁区観察にはFe(440)反射を用いた。試料を磁区ストライプと直交方向に50マイクロメートルステップで走査し、左右楕円偏光の反転比を求め、おおよそプラスマイナス1.5\%の磁気効果が観測された。磁気効果が十分大きくなく測定点が荒れる、バイアスが載ってしまう、といった問題はあるものの、それらしい磁区構造が得られた。