共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

データセンターネットワークにおけるスループット急落の回避に関する研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
19K11926
体系的課題番号
JP19K11926
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

分散ファイルシステムを採用している最近のデータセンターのネットワークにおいては、多数のサーバが、ほぼ同時に(並列に)、1台のコンピュータ(クライアント)に向けてデータを送信しようとすることがしばしば起こる。このとき、イーサネットスイッチのポートにおいてバッファーオーバーフローが起こり、スループットが0に近い値に急落するという最悪の状況(インキャスト)が起こってしまうことがある。本研究の目的は、分散ファイルシステムにおいて、各サーバのデータ送信終了時間の公平性を気にする必要はなく、全サーバがデータ送信を終了するための時間が重要であることに着目して、サーバからのデータ送信を直列化することにより、インキャストを回避しつつスループットを最大にする方法を考案し、実際に実験ネットワークでその有効性を実証することである。
2019年度は、データセンターネットワークにおける各リンクの伝送速度、イーサネットスイッチのポートバッファサイズ、サーバから送信されるデータ量(ユニットサイズ)等が与えられた時、インキャストを回避し、かつ、スループットを最大化できる同時設定(同時に並列化できる)コネクション数を求めることができるように、従来筆者らが提案しているコネクション直列化法を拡張した方法(拡張コネクション直列化法)を考案した。
また、高精度のカーネルタイマーを使用して、最小タイムアウト値を従来の200ミリ秒から数100マイクロ秒にすることにより、インキャストを回避しようとする従来の方法において、クライアントからサーバに再送要求を出すことで、インキャスト回避の可能性を高くできる方法を提案した。
さらに、上述した方法を統合して、実際のデータセンターネット上で動作できるようにするための基礎的検討を行った。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K11926
ID情報
  • 課題番号 : 19K11926
  • 体系的課題番号 : JP19K11926