共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2024年3月

石刻史料を用いた唐朝の羈縻支配像の再検討

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
20K01010
体系的課題番号
JP20K01010
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

本研究の目的は、唐朝の羈縻支配の時期と地域による差異に留意しつつ、4年計画で、その全体像を解明していくもので、2021年度は2年目に相当する。
2021年度の研究計画は、唐朝の西南や南方の諸種族に対する羈縻支配の検討をおこなう2年計画(2021年~2022年度)の1年目であった。そのため、編纂史料の整理と四川・雲南・広西に存在する石刻史料を通じ、この方面の羈縻支配の実態をうかびあがらせ、北方の羈縻支配との差異を明かにしようとした。この地域で、20世紀後半に出土した「爨守忠墓誌」「助教鮮君墓誌」(四川省成都市)、伝存石刻史料の「南詔徳化碑」「王仁求碑」「段部会盟碑」(雲南省大理市)、「智城碑」「堅固大宅頌」(広西壯族自治区上林県)が調査対象で、まず海外調査の準備作業として、日本で得られる石刻史料の情報をもとに釈文を作成し、3年かけて、現地に赴き、その釈文と原碑もしくは拓本との照合作業を行う予定であった。
しかし、新型コロナウイルスの感染状況により、中国への渡航は許されず、実地調査は延期状態となり、今のところ、見通しが立たない。そこで、21年度は、唐朝の東北面での「羈縻支配」をまとめることとし、その成果を「唐朝の羈縻政策に関する一考察-唐前半期の営州都督府隷下「羈縻府州」を事例として―」(『東洋史研究』80-2)として発表した。
また、唐朝の西方ではイラン系(ソグド人など)やトルコ系(西突厥など)の種族が「羈縻」支配に入ったと予想される。その中で、その出自がソグド人とされてきた「史多墓誌」について、再解釈を行った(「「史多墓誌」に関する一考察」『KU-ORCASが開くデジタル化時代の東アジア文化研究』、関西大学アジア・オープン・リサーチセンター)。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K01010
ID情報
  • 課題番号 : 20K01010
  • 体系的課題番号 : JP20K01010