論文

2011年

乳腺原発腺様嚢胞癌の一例 細胞像の多彩性について

日本臨床細胞学会岡山支部会誌
  • 今井みどり
  • 濱田香菜
  • 那須篤子
  • 井上博文
  • 松岡博美
  • 藤田 勝
  • 大森昌子
  • 田中健大
  • 市村浩一
  • 柳井広之
  • 吉野 正
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34
開始ページ
35
終了ページ
35
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
岡山県臨床細胞学会

70歳代女。検診にて左乳房に異常を指摘され、超音波検査で左CD境界部に境界不明瞭な腫瘤を認め、マンモグラフィーではC領域にspiculaを伴う腫瘤として描出されカテゴリーVと診断した。穿刺吸引細胞診を行い、細胞所見で異型の乏しい小型細胞からなる重積著明な細胞集塊を多数認め、一部は腺管状または篩状構造様を呈し粘液様物質を有していた。また、硬癌様の配列を示す小集塊、明らかな構造を示さない大型充実性の集塊、網目状構造を呈する大型の集塊、折れ曲がった腺管様の集塊等を認めた。乳頭腺管癌と判断して乳房部分切除術および腋窩リンパ節郭清を施行し、組織所見で中心部に硝子化を伴う腫瘤形成を認め、真の腺腔とともに粘液物質を含む間質を囲む偽腺腔の形成がみられ、病変中には索状配列を示す大小の胞巣が浸潤性増殖し、無構造な充実性胞巣、網状構造の浸潤巣、篩状構造を伴う管腔や嚢胞状腺管等もみられた。

ID情報
  • ISSN : 0289-0984
  • 医中誌Web ID : 2012159074

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