共同研究・競争的資金等の研究課題

2016年4月 - 2018年3月

日本語複合動詞の獲得に関する実証的・理論的研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業  特別研究員奨励費

課題番号
16J02245
体系的課題番号
JP16J02245
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
2,300,000円
(直接経費)
2,300,000円
(間接経費)
0円
資金種別
競争的資金

平成29年度は、主に2つのことに取り組んだ。1つ目は複合動詞に関する母語獲得研究である。2つ目は、他大学の研究者との共同研究である。
まず初めに、複合動詞に関する母語獲得研究について報告する。本年度は、日本語を母語とする子どもが複合動詞と複合名詞が同じ時期に観察され始めることに着目し、また、それがなぜなのかを明らかにするための研究に取り組んだ。(学会誌等への発表 番号4)。具体的には、原理とパラメータのアプローチの観点から日本語の複合動詞に必要なパラメータが何かという問いに取り組んだ。そして、複合動詞に必要なパラメータの1つが複合語パラメータである可能性が非常に高いことを示した。その提案を裏付けるために、CHILDESを使用した実証研究を行った。日本語を母語とする子ども、Akiの発話を調査した結果、複合動詞と複合名詞の初出が2歳5ヶ月に観察されたことを示した。このことを基に、複合語パラメータが心理的に実在している可能性が高いと提案した。
次に、他大学の研究者との共同研究である。一瀬陽子氏と團迫雅彦氏との共同研究では、韓国語が母語の日本語学習者および中国語が母語の日本語学習者が日本語の複合動詞の習得する際、母語の干渉があるかどうか検討した。その結果、韓国語が母語の日本語学習者の場合、「食べ続ける」のように、V2が「続ける」の複合動詞を「続けて食った」というように、韓国語で「食べ続ける」を表現するときに使う言い回しを使って表現する学習者がいることが分かった。このことから、日本語学習者が日本語の文法を習得していく中間段階には母語の干渉があることが明らかになった。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-16J02245
ID情報
  • 課題番号 : 16J02245
  • 体系的課題番号 : JP16J02245

この研究課題の成果一覧

論文

  4

書籍等出版物

  3

講演・口頭発表等

  6

メディア報道

  1
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