MISC

2019年8月

デイケアの利用により活動と参加につなげることができた高齢心不全症例の一考察

理学療法学
  • 平野 康之
  • ,
  • 前田 高宏
  • ,
  • 鳴滝 雅美
  • ,
  • 中島 了司
  • ,
  • 小濱 京子
  • ,
  • 河原 加奈
  • ,
  • 上田 由佳
  • ,
  • 住友 辰次

46
Suppl.1
開始ページ
O
終了ページ
7
記述言語
日本語
掲載種別
DOI
10.14900/cjpt.46s1.a-86_1
出版者・発行元
(公社)日本理学療法士協会

【目的】デイケアにおける心リハの実施により、活動と参加につなげることができた高齢心不全症例について考察する。

 

【症例】慢性心不全を呈する88歳の男性。平成28年5月に心不全の急性増悪により入院。退院後、徐々にADL低下を来し、平成29年4月より外来心リハを開始したが、休みが続き、身体機能・認知機能低下が進行。外来通院が困難となり、同年6月よりデイケアに変更。デイケア開始時の評価結果は、意思疎通良好で、室内であれば杖歩行自立。BNP 130pg/ml、体重 74.3Kg、BP 126/70mmHg、HR 50~60bpm(af)、SpO2 96%であり、四肢末梢に著名な浮腫を認めた。握力(平均)7.2kg、前方リーチ距離 25.0cm、膝伸展筋力(平均)0.22kgf/Kg、SPPB 7点、6分間歩行距離 150m、FIDS 27点、LSA 28点であり、身体機能およびADLの低下、生活空間の狭小化を認めた。また、活動や参加に対しての興味や関心も低下していた。これらの状況を踏まえ、本人および関連職種とリハビリテーション会議を開催し、本症例の活動と参加の目標を①自宅裏庭の水やり、②波止場釣りに設定して介入を実施した。介入内容は、ストレッチや筋力強化運動、有酸素運動、階段昇降などの応用動作練習とし、十分なリスク管理の下、3回/週の頻度で6か月間実施した。

 

【結果】介入期間中の参加率は98%であり、その間の心血管イベントは認めなかった。身体機能などの指標は、握力 18.3kg、前方リーチ距離 36.0cm、膝伸展筋力 0.39kgf/Kg、SPPB 12点、6分間歩行距離 283m、FIDS 38点、LSA 39点といずれの指標も6か月後に向上した。また、活動と参加の目標も達成できた。

 

【考察】高齢な心不全症例であっても、デイケアにおける心リハにより、身体機能やADLなどの改善が可能であり、活動と参加にもつなげることができる。

 

【倫理的配慮,説明と同意】本介入内容について本人・家族に十分な説明を行い、同意を得た上で実施した。

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.14900/cjpt.46s1.a-86_1
J-GLOBAL
https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=202002245333794530
CiNii Research
https://cir.nii.ac.jp/crid/1390845713087876864?lang=ja
ID情報
  • DOI : 10.14900/cjpt.46s1.a-86_1
  • ISSN : 0289-3770
  • eISSN : 2189-602X
  • 医中誌Web ID : 2020141396
  • J-Global ID : 202002245333794530
  • CiNii Articles ID : 130007692552
  • CiNii Research ID : 1390845713087876864

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