2014年
落葉広葉樹林への大規模窒素施肥が細根系の呼吸速度及びその形態特性に与える影響の解明
日本森林学会大会発表データベース
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- 巻
- 125
- 号
- 開始ページ
- 751
- 終了ページ
- 751
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.11519/jfsc.125.0_751
- 出版者・発行元
- 日本森林学会
窒素(N)は、多くの森林生態系において樹木生長の最大の制限要因であり、N負荷量の増加は生態系炭素循環に大きな影響を与えると考えられている。本研究では炭素循環の重要な構成要素である細根に着目し、N施肥に対する細根系の呼吸速度と形態特性の応答を解明する事を目的とした。北大苫小牧研究林の落葉広葉樹林(優占種:ミズナラ)において、N施肥区(50kgN/ha/yr)とコントロール区を設けた。施肥から4ヶ月後の8月末に細根を表層土壌から採集し、呼吸速度を測定した。その後、同サンプル根の直径、比根長:m/g、根組織密度:g/cm3を計算した。<br>N施肥区とコントロール区を比較した際、呼吸速度及び形態特性はそれぞれ有意差が認められなかった。両区において呼吸速度は、直径が小さいほど高くなる累乗関係を示し、比根長に対して有意な正の相関があり、根密度に対して有意な負の相関があった。また両区の共分散分析の結果、呼吸速度と比根長及び根密度の回帰式にはいずれも傾きと切片に有意差は無かった。以上より、本研究の施肥量・実験期間においては、N施肥に対する細根系の呼吸速度と形態特性に応答は認められず、細根の資源獲得能や炭素分配は変わらない事が明らかとなった。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.11519/jfsc.125.0_751
- CiNii Articles ID : 130005474785