MISC

2021年6月

ラボでもチェアサイドでも活用できるチタンの基礎的な理工学

日本歯科産業学会誌
  • 井田 有亮

35
1
開始ページ
3
終了ページ
14
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
日本歯科産業学会

今般、大臼歯の全部金属冠修復の材料として純チタン2種が保険収載されたが、加工方法が鋳造に限定される点や、これまでと違った材料を使用することで操作性が異なる点などから臨床家に戸惑いが見られる。そこで、臨床家に直接関係するチタンの歯科理工学的性質を紹介し、この金属が少しでも取り扱い易くなればと考えている。チタンは希少な金属という先入観を持たれることが多いが、実際には地殻中に比較的多量に含まれている。しかし精鉱が困難で、1950年代に至るまで工業的な利用が盛んになる事はなかった。その後も軍事利用が先行したこともあって民需に積極的に応じられることがなかったために、チタンの加工について、産業界ひいては医療界における知見の蓄積が遅れたと考えられる。本講演では、チタンという金属の性質を概観し、あわせてその加工や課題などについても合わせて解説する。効率よく調整・研磨操作ができるようなヒントとなるチタンの機械的性質を紹介する。金銀パラジウム合金の苛烈とも言える価格高騰に伴って、代替材料が強く望まれる時代趨勢の中で純チタン2種が保険収載された。しかし、装置の製作やセットに要する時間が極端に長かったり、鋳造欠陥が多発したりするようであっては、人件費など諸経費の高騰や、機会費用の損失などでコストの低減につながらない恐れもある。本講演が、チタン・チタン合金の性質を理解し、効果的な使い方につながれば幸いである。(著者抄録)

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  • ISSN : 1342-3606
  • 医中誌Web ID : 2021264177

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