共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年7月 - 2023年3月

脈管系および付属器を有する革新的皮膚代用品の創生

日本学術振興会  科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)  挑戦的研究(萌芽)

課題番号
20K21912
体系的課題番号
JP20K21912
担当区分
研究分担者
配分額
(総額)
6,370,000円
(直接経費)
4,900,000円
(間接経費)
1,470,000円

重症熱傷や高齢者に頻発する難治性皮膚潰瘍など、保存的治療では治癒しない創に対し皮膚移植は欠かせない。近年の創傷治療において、感染を制御し良好な生着や早期の上皮化のみならず、機能的にも整容的にもいかに回復再生させるかが大きなテーマとなってきた。しかし現在臨床で使用されている皮膚の再生医療等製品には、毛細血管やリンパ管などの脈管系や皮膚器官に特徴的な付属器は備わっていない。本研究は、ヒト皮膚由来細胞に細胞外マトリックス成分の薄膜を形成し自己組織化を促す技術をもとに、複数種類の細胞からなる表皮/真皮一体型で脈管系・皮膚付属器を備えたヒト培養皮膚の構築を目指した萌芽研究である。3年計画の2年目では、(1)真皮様組織内に毛細血管およびリンパ管ネットワークを形成した培養皮膚を免疫不全マウスの全層皮膚欠損創に移植し治癒効果を検証した。毛細血管とリンパ管いずれも備えた培養皮膚は毛細血管網のみをもつ培養皮膚より良好な生着と治癒効果を認めた。(2)細胞外マトリックス成分の薄膜を形成した繊維芽細胞(FN/G-NHDF)と汗腺幹細胞の共培養では付属器形成には至らなかった。したがってヒトiPS細胞から皮膚付属器前駆細胞を分化誘導し、FN/G-NHDFとの共培養研究を開始した。(3)ヒトiPS細胞から免疫系細胞へ分化誘導した細胞とFN/G-NHDFを共培養し、真皮様組織内に免疫細胞を組み込んだ培養皮膚モデルの検討を行った。本研究成果の一部はin vitroでの刺激試験評価に関する研究と効果的な培養方法に関する研究として論文を投稿した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K21912
ID情報
  • 課題番号 : 20K21912
  • 体系的課題番号 : JP20K21912