共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

膠芽腫細胞に対するヒ素化合物とブファジエノライド併用の抗腫瘍活性に関する基盤研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(C)

課題番号
20K07136
体系的課題番号
JP20K07136
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

本年度に、膠芽腫細胞U-87に対する亜ヒ酸ナトリウム(AsIII)、ブファジェノライドのarenobufagin (Areno)およびgamabufotalin (Gama)の併用効果を以下のように比較検討した。
①臨床的に到達可能なAsIII濃度(1, 2 μM)とAreno(6.25, 12.5 nM)の併用が相乗的にU-87細胞の増殖を抑制した。一方、同様な相乗効果は、比較的高濃度のAsIII(4, 8 μM)とGama(50, 100 nM)の併用においては観察されたことから、GamaよりArenoの方がよりAsIIIの効果を高められることが示唆された。
②AsIIIが濃度依存的にcaspase-3を活性化させると共にU-87細胞のアポトーシスを誘導した。LDHの漏出も誘導したことからネクローシスの関与も示唆された。また、Areno がAsIIIのアポトーシスおよびネクローシスの誘導作用を増強させた。
③AsIIIとGamaの併用と同様、AsIIIとArenoの併用もU-87細胞のG2/Mアレストを誘導した。従って、細胞周期への影響はAsIIIとブファジェノライドに誘導される細胞増殖抑制に寄与することが考えられた。
④DNAダメージマーカーであるγH2AXおよびオートファジーマーカーであるLC3の発現が観察されたことから、DNAダメージを介したオートファジー細胞死が両薬物の併用に関与することが示唆された。さらに、Notch1およびそのリガンドであるJagged1の発現が顕著に阻害されたことから、Notchシグナリングへの阻害が両薬物の併用効果に寄与することが考えられた。また、U-87細胞をヌードマウスの皮下に接種し、担がんマウスの作成を成功した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K07136
ID情報
  • 課題番号 : 20K07136
  • 体系的課題番号 : JP20K07136

この研究課題の成果一覧

論文

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講演・口頭発表等

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