講演・口頭発表等

2020年11月

変化する表情に対する感情認知特性:呈示比率の効果

日本基礎心理学会第39回大会
  • 原田佑規
  • ,
  • 大山潤爾
  • ,
  • 和田真

記述言語
会議種別
ポスター発表

他者感情を推定するうえで,表情の変化は重要な手がかりの一つである。表情の変化には,感情表情の比率,時間系列,微分などのパラメータがあるものの,これらを操作して表情認知に及ぼす影響を検討した研究はほとんどない。そこで本研究では感情表情の呈示比率が他者感情の認知に及ぼす影響を検討した。実験では,被写体の表情を感情表情(怒り,嫌悪,幸せ,恐怖,悲しみ,驚きのいずれか)と中性表情の間で異なる比率で変化させた。各表情が最小300ミリ秒の間隔でランダムに変化し,合計3秒間呈示された後,参加者は被写体の感情の強さを7段階で評定した。独立変数として,感情表情と中性表情の呈示比率を6段階で操作した。その結果,感情評定値は感情表情の比率に伴って上昇したが,怒り表情に対するその効果は小さかった。この結果から,感情表情の呈示比率は他者感情の認知に影響するものの,その効果は感情の種類によって異なることが示唆される。

リンク情報
URL
https://cogpsy.let.hokudai.ac.jp/~jps2020/jps2020_PrograM.pdf