論文

査読有り
2020年1月

救命し得ず剖検でCMV感染が判明した多発小腸潰瘍の1例

Japanese Journal of Acute Care Surgery
  • 井本 博文
  • ,
  • 田中 直樹
  • ,
  • 武者 宏昭
  • ,
  • 大沼 忍
  • ,
  • 元井 冬彦
  • ,
  • 内藤 剛
  • ,
  • 亀井 尚
  • ,
  • 海野 倫明

9
2
開始ページ
272
終了ページ
276
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
日本Acute Care Surgery学会

症例は73歳,男性。腹痛・発熱のため感染性胃腸炎として前医で入院加療していたが,経過中に下血をきたし,ショック状態となり東北大学病院に救急搬送された。来院時,腹膜刺激症状およびCT検査にて小腸全体の浮腫性壁肥厚およびfree air・腹水を認め,同日緊急手術を施行した。さらに術後第3・4病日にそれぞれ下血をきたし,開腹止血術を要した。また経過中に肝不全を合併し,小腸潰瘍の原因も特定できず治療に難渋した。第13病日に再度大量下血をきたし,やむなく小腸亜全摘術を施行した。術後いったんは小康状態となるも,第23病日に再度下血をきたし,第25病日に永眠した。原因検索のため剖検を行ったところ,小腸のサイトメガロウイルス(cytomegalovirus;CMV)感染が判明し,前述の経過の原因となった可能性が示唆された。(著者抄録)

ID情報
  • eISSN : 2436-102X
  • 医中誌Web ID : 2020183068

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