共同研究・競争的資金等の研究課題

2012年4月 - 2015年3月

女子の理科学習促進を指向する教師教育の方策の開発

文部科学省  科学研究費補助金(若手研究(B))  若手研究(B)

課題番号
24700867
体系的課題番号
JP24700867
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
3,250,000円
(直接経費)
2,500,000円
(間接経費)
750,000円
資金種別
競争的資金

本研究は,中学校段階において理科学習に対する女子の意識・態度が急速に低下する「女子の理科離れ」を改善するために,教師教育の観点からアプローチする方法を検討するものである。なぜなら,「女子の理科離れ」が,教師のもつ理科に対するイメージや固定観念から表出される言動によって引き起こされる可能性が少なくないからである。諸外国の先行研究においても,「女子の理科離れ」をくいとめる方法として,学習内容や環境,教授方法等の改善以上に,教師の意識の変革が最も重要であると指摘されている。研究の初年度である平成24年度においては,教師教育の具体的方法を検討する前提となる教師の意識調査を実施した。理科授業を担当している公立の小・中学校教師約80名を対象とし,児童・生徒の理科好きの割合や,理科授業への取り組み方や態度,そして理科学力に関する男女差の認識を問う質問紙調査を実施した。調査後,その教師たちを対象に,女子の理科学習の問題点,改善の必要性,効果的な指導法等に関する1時間程度の研修を実施し,意識変容が起きたかを自由記述から調査した。その結果,研修前の教師については,理科学習における男女差に無自覚であることが多く,理科指導において女子に特に配慮することは少なく,教師の多くが男女平等に指導することの正当性を顕示する傾向にあることが明らかとなった。そして,研修後には,8割以上の教師が,理科学習における男女差を認識し,女子の理科学習に関心をもったことが明らかとなった。さらに,少数ではあるものの自らの「理科=男性」という固定観念を認めたり,女性の理科教師の増加の必要性に気づいた教師もいた。研究実施計画において予定していた教員養成課程の学生に対する意識調査については,対象人数が300名近くになるため,平成24年度は予備調査を実施し,次年度の本調査に向けて質問紙を修正・改良する機会とした。

リンク情報
URL
http://kaken.nii.ac.jp/d/p/24700867.ja.html
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-24700867
ID情報
  • 課題番号 : 24700867
  • 体系的課題番号 : JP24700867