2018年4月 - 2021年3月
CAD/CAM冠合着後の早期負荷が冠のひずみ及び脱離に及ぼす影響
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究 若手研究
本研究の大きな目的は早期のクラウン脱離に及ぼす影響について、接着操作以外の因子について評価し、その解決方法を探索することである。本年度は、主に「セメント硬化前の負荷」について実験を進めた。実験にはデュアルキュア型接着性レジンセメントを用いた。
光照射時間がセメントのビッカース硬さに及ぼす影響を検討したところ、試験期間を通じて、光照射時間が30秒間の場合のセメントのビッカース硬さは、照射時間が10秒間の場合と比較して有意に高く、照射1週間後においても2倍以上高い値を示した。レジンセメントの硬化度は重合度を反映する。各条件におけるビッカース硬さはいずれも照射4日後にプラトーに達したことから、初期の光照射時間に関わらずセメントが完全に重合するには4日程要する可能性が示唆された。
また、CAD/CAM冠材料の厚みがセメントのビッカース硬さ及びせん断応力に及ぼす影響を評価した。厚み1.5 mmのCAD/CAM冠試料を介して光照射した場合のセメントのビッカース硬さは、厚み3.0 mmの試料を介した場合と比較して有意に高く、硬化促進プライマーを用いた場合に最終硬化度はより高くなる傾向を示した。また、厚み1.5 mmのCAD/CAM冠試料を介して光照射した場合のせん断応力は、厚み3.0 mmの場合と比較して有意に高かった。いずれの厚みの試料を介した場合でも硬化促進プライマーによるせん断応力の有意な上昇を認め、厚み1.5 mm試料の場合には支台歯における凝集破壊が観察された。
光照射時間がセメントのビッカース硬さに及ぼす影響を検討したところ、試験期間を通じて、光照射時間が30秒間の場合のセメントのビッカース硬さは、照射時間が10秒間の場合と比較して有意に高く、照射1週間後においても2倍以上高い値を示した。レジンセメントの硬化度は重合度を反映する。各条件におけるビッカース硬さはいずれも照射4日後にプラトーに達したことから、初期の光照射時間に関わらずセメントが完全に重合するには4日程要する可能性が示唆された。
また、CAD/CAM冠材料の厚みがセメントのビッカース硬さ及びせん断応力に及ぼす影響を評価した。厚み1.5 mmのCAD/CAM冠試料を介して光照射した場合のセメントのビッカース硬さは、厚み3.0 mmの試料を介した場合と比較して有意に高く、硬化促進プライマーを用いた場合に最終硬化度はより高くなる傾向を示した。また、厚み1.5 mmのCAD/CAM冠試料を介して光照射した場合のせん断応力は、厚み3.0 mmの場合と比較して有意に高かった。いずれの厚みの試料を介した場合でも硬化促進プライマーによるせん断応力の有意な上昇を認め、厚み1.5 mm試料の場合には支台歯における凝集破壊が観察された。
- ID情報
-
- 課題番号 : 18K17109
- 体系的課題番号 : JP18K17109