共同研究・競争的資金等の研究課題

1996年 - 1996年

中枢シナプス細胞骨格異常が引き起こす記憶情報処理障害に関する研究

文部科学省  科学研究費補助金(萌芽的研究)  萌芽的研究

課題番号
08878151
体系的課題番号
JP08878151
資金種別
競争的資金

神経回路の記憶情報処理に際し、中枢シナプスの動的・可塑的変化が重要な役割を果たしている事はほぼ明らかであり、シナプスにおいてはスパインの形態変化や受容体の再配分なども起きていると考えられる。
我々は記憶情報処理障害のあるアルツハイマ-病脳においてはシナプスに異常があるのではないかと考え、アクチン結合蛋白ドレブリンおよびシナプス小胞に特異的な蛋白SVP38の各々に対する抗体を用いて、正常老化脳とアルツハイマ-病脳の海馬の免疫組織化学を行なった。するとアルツハイマ-病脳ではシナプス小脳に特異的な蛋白SVP38にたいする抗体染色では異状は発見されず、アクチン結合蛋白ドレブリンに対する抗体染色でその染色性の消失を発見した。このドレブリンの消失はウェスタンブロッティングによってもたしかめられた。
ラット成熟脳におけるアクチン結合蛋白ドレブリンの樹状突起への局在がすでに報告されていたが、まずこの局在を包埋後の免疫染色の電顕像、シナプトゾ-ム画分の免疫染色の電顕像、培養細胞にシナプスを形成させたときの免疫染色像により確認した。
次にアルツハイマ-病脳のスパインにおけるドレブリンの量を調節するする因子の同定を試みるために、まず培養系を用いてドレブリンの調節因子を探した。その結果(1)ドレブリンの胎児型から成熟型への変換は活動依存性に起こること、(2)リン酸化酵素阻害薬K252aにより発現が特...

リンク情報
URL
https://kaken.nii.ac.jp/p/08878151
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-08878151
ID情報
  • 課題番号 : 08878151
  • 体系的課題番号 : JP08878151