2017年9月3日
然るべき因果という難問——適合的因果理論の意義と課題
日本社会学理論学会(第12回大会)
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発表資料
回数 : 136
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- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 口頭発表(一般)
- 開催地
- 東京(明治大学)
- 国・地域
- 日本
適合的因果/偶然的因果の概念は,19世紀末に生理心理学者Johannes von Kriesによって提唱され,Max Weberによる受容を通じて社会科学方法論と関連づけられた.今日,この概念が直接言及されることは少ないものの,Weber的方法論における重要概念であることは広く認められている.しかし,因果の適合性という着想は必ずしも明瞭に理解されておらず,先行研究の解釈状況に若干の混乱が見られる.また,適合的因果がWeber的方法論という文脈を超えて社会科学一般に対して持つ意義の考察も不足しているように見える.そこで本発表では,まず,適合的因果の概念を明瞭化し,その社会科学的な意義を再考する.その上で,より重要な点として,適合的因果/偶然的因果の区別が直面する難問を指摘し,その定式化に課せられる理論的課題を明らかにする.
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