共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

歴史文献を用いた過去の太陽活動の研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)
  • 磯部 洋明
  • ,
  • 海老原 祐輔

課題番号
18H01254
配分額
(総額)
17,290,000円
(直接経費)
13,300,000円
(間接経費)
3,990,000円

本研究の目的は、歴史文献中に記述されている天体現象、特にオーロラと黒点の観測記録から、過去の太陽活動および宇宙天気現象の変遷を探ることである。 今年度の成果としては、まず18-19世紀の巨大磁気嵐の記録の調査を行い、観測史上最大と言われていたいわゆるキャリントンイベントに匹敵するイベントが相当の頻度で起きていることを複数例で実証したことが挙げられる。この成果はすでに2本の論文として出版されている。また、放射性同位体などの解析から、キャリントンフレア以上のいわゆるスーパーフレアが起きた可能性がある西暦775年前後のオーロラ記録に関する史料の吟味を進め、当該の放射性同位体イベントがスーパーフレアであったという確証を得るには至っていないものの、新たな知見を得て論文にまとめている。また、太陽活動が極端に低調であった17世紀から18世紀にかけてのいわゆるマウンダー極小期と呼ばれる時期に日本と中国でオーロラらしい同時観測があることが以前から知られていたが、本研究で同時期のヨーロッパにおける黒点記録との照合を行い、実際にその時期には大フレアを起こしうるような巨大黒点がなかったこと、またオーロラの観測緯度から地磁気嵐の強さがDst indexで-300nT以上となることを明らかにした。この現象の説明を与えるために、Dst Indexの経験的な時間発展モデルを用いて、同程度の地磁気嵐が、黒点のない静穏領域にあるフィラメント噴出を起源とするコロナ質量放出で説明できることを明らかにした。この成果は論文出版受理の状態である。加えて、研究協力者が所属する機関等と協力して、市民参加型で歴史文献から天体現象を含む過去の自然現象の記録を探すイベンを開催し、その報告と考察を論文として出版している。

リンク情報
論文
近世史料にみるオーロラと人々の認識
論文
Intense Geomagnetic Storm during Maunder Minimum Possibly by a Quiescent Filament Eruption
論文
A great space weather event in February 1730
論文
The earliest drawings of datable auroras and a two-tail comet from the Syriac Chronicle of Zuqnin
論文
Records of sunspot and aurora activity during 581-959 CE in Chinese official histories concerning the periods of Sui, Tang, and the Five Dynasties and Ten Kingdoms
論文
Historical Auroras in the 990s: Evidence of Great Magnetic Storms
論文
East Asian observations of low-latitude aurora during the Carrington magnetic storm
論文
Earliest datable records of aurora-like phenomena in the astronomical diaries from Babylonia
MISC
歴史文献から探る過去の太陽活動
ID情報
  • 課題番号 : 18H01254
  • 論文の業績ID : 30805330
  • 論文の業績ID : 25888202
  • 論文の業績ID : 15257126
  • 論文の業績ID : 15257133
  • 論文の業績ID : 15257132
  • 論文の業績ID : 15257137
  • 論文の業績ID : 15257135
  • 論文の業績ID : 15257138
  • MISCの業績ID : 30764997