Research Projects

Apr, 2018 - Mar, 2021

地域保健活動はどのように住民の健康に寄与したのか?―島根モデルの歴史的変遷を例に

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究  若手研究

Grant number
18K17638
Japan Grant Number (JGN)
JP18K17638
Grant amount
(Total)
4,030,000 Japanese Yen
(Direct funding)
3,100,000 Japanese Yen
(Indirect funding)
930,000 Japanese Yen

本研究は,島根県独自の地域保健活動(疾病予防活動)の歴史的変遷を明らかにすることである。島根県の地域保健活動は大別すると,戦後以降、島根県の疾病予防活動の中核をなしてきた「脳血管疾患の死亡率の低下を目指す時期」,「健康づくりのためのまちづくりを目指す時期」,「互助組織が主体となり地域住民が主体となる時期」の3つの時期区分に分かれている。その中でも「健康づくりのためにまちづくりを目指した時期」には,地区単位(市町村よりも小さい)での健康づくりが実施されていた。住民の地域づくりのために保健所や自治会,教育機関と連携した組織体系が構築されていた。これらの取り組みは「重点地区活動」と呼ばれている。
昨年度の文献調査を継続して実施しているとともに本年度は,重点地区活動に従事していた関係者へのインタビューを実施した(しかし残念ながら,コロナ禍等の影響を鑑み,またインタビュー対象者が高齢なため,予定していたインタビューを実施することはできなかった)。現在実施されたインタビューからは,保健師主導で実施され始めた重点地区活動であるが,地域住民の活動への理解と健康意識の向上が必須であり,関係者はこの点に力点を置いて活動に従事していた。したがって,重点地区活動実施地区同士の交流,地域住民の健康指標でデータ化,健康イベントや健康教育の実施,地区活動への参加などが実施されていた。特に地区交流会の実施などは,当時の資料にも実施報告がなされておらず,インタビュー調査により明らかになった知見の一つである。本時期の脳血管疾患死亡率は全国平均よりも高値ではあるものの,その差は縮小されていることも明らかになった。

Link information
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18K17638
ID information
  • Grant number : 18K17638
  • Japan Grant Number (JGN) : JP18K17638