2017年 - 2019年
中東・北アフリカとアジアにおける冷戦と脱植民地化の相互作用の比較研究(国際共同研究強化)
日本学術振興会 科学研究費助成事業 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化) 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
スエズ戦争後の運河再開に向けた国際交渉の分析を進めている。スエズ戦争後、運河はエジプトの一方的宣言によって再開されたが、それはイギリスの立場を無視するものであり、その権威の失墜を意味するというのが通説的立場であった。しかし実際には、スエズ戦争後は、エジプト領内へのUNEFの駐留と、アメリカによる穏健アラブ諸国への援助ゆえに、ナセルの威信はむしろ低下しつつあった。むしろイギリスは、アメリカと国連に責任を肩代わりさせることでナセルの影響力を封じ込めることに成功したと言える。そしてエジプトがICJの強制的管轄権を受諾するなど譲歩したため、経済的な観点からスエズ運河再開という妥協を選んだのである。
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- 課題番号 : 16KK0071
- 体系的課題番号 : JP16KK0071
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Diplomacy & Statecraft 33(4) 681-717 2022年12月19日 査読有り