共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2022年3月

放射線によるDNA損傷形成における水和水の作用の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(A)  基盤研究(A)

課題番号
18H03891
体系的課題番号
JP18H03891
配分額
(総額)
45,500,000円
(直接経費)
35,000,000円
(間接経費)
10,500,000円
資金種別
競争的資金

本研究は,「初期損傷の化学回復の時間分解測定」,「時間分解測定へのラマン分光の導入」,「安定なDNA変異の高感度検出および定量」,「最初期過程での電子挙動の理論計算」,という4つの実施項目からなる.
「初期損傷の化学回復の時間分解測定」では「高濃度水溶液中でのヌクレオチド初期損傷の過渡吸収観測」を実施した.ヌクレオチドとしてはdGMPを用いた.
「時間分解測定へのラマン分光の導入」では「透明サンプル中での透過型ラマン分光(既知な過渡生成物の観測)」に着手した.レーザー光が散乱される際のストークスシフト(分子結合に対応した波長の変化)を利用するラマン分光に向け,レーザーなど測定系の構築を始めた.
「安定なDNA変異の高感度検出および定量」では「DNA保存水溶液の緩衝剤の置換手法確立」を実施した.プラスミドDNAの保管で必要不可欠なpH制御で用いるTris(トリスヒドロキシメチルアミノメタン)とEDTA(エチレンジアミン四酢酸)はOHラジカルとの反応性が高く,除去する必要がある.そこで透析によりOHラジカルとの反応性が低いリン酸緩衝剤と置換する.透析カセットを用いた手法を確立した.
「最初期過程での電子挙動の理論計算」では「真空中でのDNA成分のイオン化の際の電子挙動の計算」を実施した.まず周囲に相互作用する分子や場はないものとして真空中での放射線照射を模擬し,分担者らの開発した時間依存多配置波動関数理論によりイオン化の際の電子挙動をシミュレーションした.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18H03891
ID情報
  • 課題番号 : 18H03891
  • 体系的課題番号 : JP18H03891

この研究課題の成果一覧

論文

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講演・口頭発表等

  2