共同研究・競争的資金等の研究課題

2003年 - 2005年

アルツハイマー病におけるアミロイドβ蛋白の蓄積とコレステロール代謝の関連

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
15590891
体系的課題番号
JP15590891
担当区分
研究分担者
配分額
(総額)
3,000,000円
(直接経費)
3,000,000円

正常,Sweden, London, Tottori型変異のAPP遺伝子を導入した、正常CHO細胞とコレステロール細胞内代謝に異常を持つニーマン・ピック病C型(NP-C)モデルCHO細胞を用い、細胞内外のコレステロール環境が、APPの代謝・アミロイドβ蛋白(Aβ)の産生にどのような影響を及ぼしているのかを細胞レベル、タンパクレベルにおいて検討した。
細胞内のAPP・Aβの産生を左右し、ADの病態に影響を与える指標として、アルミニウムとLDL、酸化ストレスを用いた。
アルミニウムはAD発症に関連する環境因子といわれており、細胞内コレステロール代謝の変化している環境ではアルミニウムという外部刺激に対して過敏になっている。細胞膜のコレステロールや細胞内のコレステロール量の異常によって、アルミニウムの影響をより受けやすくしていると考えられるが、Aβの産生量に関しては関連性が少ないことが分かった。
そこで、細胞内外のコレステロール環境がAPP・Aβにどのように作用しているのかを、LDLを細胞に添加した場合、その影響を不飽和脂肪酸のリノール酸によって改善できるかどうかを検討した。しかしLDL添加時、APPはα-セクレターゼによる代謝が促進されていることが示唆され、Aβとの関連を見いだすことができなかった。このことは細胞外のLDLに対する反応が鈍いNP-CモデルCHO細胞においても同様であった。
これらの実験系において、培養系でAβを測定することは困難であり、Aβ産生時に放出されるAPPsをウエスタンブロットで検出してAβの産生量を予測していた。そこで、Aβをより簡単に測定できるように、またAβのどのアイソフォームがADの病態を最も有効に反映する指標であるのかを検討するために、5つのAβのアイソフォームの測定方法を確立した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-15590891
ID情報
  • 課題番号 : 15590891
  • 体系的課題番号 : JP15590891