共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2026年3月

石綿で起こり症状緩和が困難な中皮腫に対するバディナースを用いた包括ケアの実装

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
21H03241
体系的課題番号
JP21H03241
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
17,030,000円
(直接経費)
13,100,000円
(間接経費)
3,930,000円

胸膜中皮腫は、アスベストで起こる悪性疾患で、我が国では毎年1600人が死亡している。胸膜中皮腫は、難治性かつ症状コントロールが困難で、平均余命7.9ヶ月と病状悪化が早く、心身の艱難辛苦のうちに死に至る。有害物質によって発症することから、患者と遺族の無念感が強く、患者の死亡後も遺族の悲嘆は長期化する。胸膜中皮腫患者と家族の生活の質を維持するためには、病期に応じたニーズを予測したケア体制を維持し、必要時に字sン測なケアを提供することが必須である。
しかし、胸膜中皮腫患者と家族のケアニーズは多様で、看護だけでは対応できないものも存在する。また、中皮腫の治療を提供できる医療機関が限られることから、中皮腫の治療を終えたのちに、患者居住地の医療機関へ転院する際にケアが途切れやすい。そこで本研究は、多職種や支援団体と協働して、同一のナースが診断からグリーフまでをケアコーディネートしている英国を習って開発した「日本版中皮腫患者と家族への包括的ケア:胸膜中皮腫包括ABCケア」をモデル病院にてケアを実装・改善し、実現性を評価する。
2021年度は、中皮腫ケアを実施している医療機関の看護師に対して聞き取り調査を実施した。その結果、中皮腫治療を実施している看護師は、地域における在宅医療や緩和ケアについての知識が不足していることから、患者が中皮腫治療を終えて退院する際のケアの移行支援が十分実施されていなかった。在宅ナースからは、中皮腫患者の支援要請がほとんどない実情が明らかにされた。すでに開発した「ナースのための包括ABCjケアガイド」について、緩和ケア、中皮腫を発症させるアスベストへの曝露予防方法、労災申請や石綿健康被害救済制度申請についての追記が必要であることが指摘された。これを受けて、ケアガイドの改定を実施した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21H03241
ID情報
  • 課題番号 : 21H03241
  • 体系的課題番号 : JP21H03241

この研究課題の成果一覧

論文

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講演・口頭発表等

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