共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

神経科学的知見に基づくアスリートの視覚運動能力促進用「脳トレーニング法」の開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
20H04077
体系的課題番号
JP20H04077
配分額
(総額)
17,680,000円
(直接経費)
13,600,000円
(間接経費)
4,080,000円

脳の情報処理機能は、動物が置かれた状況に応じてダイナミックに変化する。脳内の神経修飾物質が機能の調節に関与すると考えられており、アスリートにおける視覚運動パフォーマンスを最大化する上で、神経修飾物質による修飾作用のコントロールが必要不可欠である。そこで身体運動により脳幹(橋)の青斑核から脳全体に分泌されるノルアドレナリンが視覚機能に及ぼす影響を検討するために、縞(グレーティング)刺激の検出課題遂行中のラットの大脳皮質一次視覚野にノルアドレナリンβ受容体拮抗薬を直接投与し、視覚刺激検出能および一次視覚野ニューロンの視覚応答特性を検討した。その結果、β受容体拮抗薬は個体としての視覚刺激検出能(コントラスト感度)を改善することが明らかになった。β受容体拮抗薬は一次視覚野ニューロンの自発発火(ノイズ)の低下と、視覚応答(シグナル)の増大を引き起こすことで、自発発火に対する視覚応答の比率(シグナルノイズ比)を増強させてことから、これが視覚刺激検出能の改善につながったと考えられる。
一方、球技系アスリートのパフォーマンスに寄与する視覚関連要因の役割を明らかにするために、ヒトにおいて、2次元空間上を移動する動的視標をカーソルでインターセプトする視覚運動課題を実施し、眼球運動の役割を検討したところ、動的視標に向かうサッカード眼球運動の空間的精度が、サッカード後に取得される動的視標の視覚情報の精度を左右し、それにもとづくフィードバック運動制御に寄与することが明らかになった。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20H04077
ID情報
  • 課題番号 : 20H04077
  • 体系的課題番号 : JP20H04077