共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

和漢薬からのエピゲノムを標的とする新規抗癌薬の探索及び作用機序の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
20K07096
体系的課題番号
JP20K07096
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

すでに解析を進めているCinobufaginによる白血病細胞株に対する抑制効果に関して、詳細なる解析を行った。FAB分類M2に属する、HL60、Kasumi-1に対してCinobufagin処理を行い、RNA-seq DATAを用い、GSEA解析を行った結果、薬剤処理により発現が低下した遺伝子群に関してはMYC_TARGETS_V2とV1にトップヒットをみとめた。また上昇した遺伝子群はTNFA_SIGNALING_VIA_NFKB, APOPTOSIS, TGF_BETA_SIGNALINGという白血病細胞を細胞死に導くものであった。また、H3K27ac抗体によるChIP-seqで解析したところ上昇した遺伝子群のH3K27ac化レベルは薬剤処理により上昇をみとめた。薬剤処理によりH3K27ac化レベルが上昇したlocusにおいてde novo Motif解析を行ったところ、AP-1とRUNX1のMotifが有意であり、これらの転写因子の関与が示唆された。また、低下したc-Myc関連遺伝子群はH3K27ac化レベルの変化はみとめられなかった。これらc-Mycシグナルの抑制を解したアポトーシス誘導に関して、論文化を行った(1)。
Cinobufaginはジギタリスなどの強心ステロイドと同じくNa/K ATPaseを阻害することが知られているが、c-Mycの抑制を介した抗がん作用が認められた。このことは難治疾患である急性骨髄性白血病の治療に関して、新たな知見であると思われた。
1) Yoshiro Hirasaki et al, Cinobufagin inhibits proliferation of acute myeloid leukaemia cells by repressing c-Myc pathway-associated genes, CHEMICO-BIOLOGICAL INTERACTION, in press

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K07096
ID情報
  • 課題番号 : 20K07096
  • 体系的課題番号 : JP20K07096