論文

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2017年2月1日

森敦「鳥海山」論―読みがたさの生成―

解釈
  • 井上 明芳

通巻694集
出版者・発行元
解釈学会

森敦「鳥海山」について、その舞台である山形県庄内平野の現地調査の結果に基づいて、構造的に論じた論である。単行本『鳥海山』は5つの短篇(「初真桑」「鷗」「光陰」「かての花」「天上の眺め」)から成っている。それぞれ執筆時期も異なり、また何度も書き換えられてきている。また舞台も吹浦、弥彦、尾鷲であり、統一的な場がない。これらを踏まえると『鳥海山』を指向していないことがはっきりする。つまり、『鳥海山』は、別の物語である5つの短篇から成っており、「鳥海山」という作品はないのである。にもかかわず、『鳥海山』とい…

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