2018年4月 - 2022年3月
被虐待児における自己調整学習の困難さに配慮した読み書き支援法の開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
2019年度は、児童心理治療施設に在籍する児童7名を対象に、漢字の読み書き指導を行った。その中で、教材特性に基づく学習効果の検討(検討1)と、学習方略の遂行に関する検討(検討2)を行った。
検討1では、使用した学習教材は、プリント教材とパソコン教材の2種類とした。両教材ともに、東京都教育委員会による「読めた」「わかった」「できた」読み書きアセスメントに基づく支援教材(2017)を使用した。プリント教材では、ひらがなや漢字を繰り返し書くことは求めず、漢字の画要素の合成課題や欠損部品の書き足し課題を中心に構成した。パソコン教材では、漢字の画要素の合成課題をマウスによるドラッグ操作を通して実施した。どちらも反復的な書字行為を伴わない点で、学習行動の開始は良好であった。一方、パソコン型教材では、プリント教材よりも画要素の選択においてエラーが多かった。また、マウスのドラッグ操作に不慣れな事例では、課題を中断する様子が見られた。被虐待児は衝動性による行動制御の困難が指摘されており(宮尾,2008)、学習方略の獲得によってパソコン教材への取組が改善することが予想された。学習漢字の習得に関する評価を含め、引き続き検討が必要である。
検討2では、対象児について、漢字の読み書き学習における学習方略の自発的使用について検討した。学習方略の使用に関する評価は、伊藤・新藤(2003)を参考にチェックリストを作成し、対象児と学習支援者の双方により実施した。その結果、課題へのとりかかりが良い場合には、自発的なリハーサルや新奇の学習課題に対して既存の知識を活用する関連づけ方略でポイントが高く、学習準備行動が整わず、課題へのとりかかりが悪い場合には、特に関連づけ方略でポイントが低かった。
検討1では、使用した学習教材は、プリント教材とパソコン教材の2種類とした。両教材ともに、東京都教育委員会による「読めた」「わかった」「できた」読み書きアセスメントに基づく支援教材(2017)を使用した。プリント教材では、ひらがなや漢字を繰り返し書くことは求めず、漢字の画要素の合成課題や欠損部品の書き足し課題を中心に構成した。パソコン教材では、漢字の画要素の合成課題をマウスによるドラッグ操作を通して実施した。どちらも反復的な書字行為を伴わない点で、学習行動の開始は良好であった。一方、パソコン型教材では、プリント教材よりも画要素の選択においてエラーが多かった。また、マウスのドラッグ操作に不慣れな事例では、課題を中断する様子が見られた。被虐待児は衝動性による行動制御の困難が指摘されており(宮尾,2008)、学習方略の獲得によってパソコン教材への取組が改善することが予想された。学習漢字の習得に関する評価を含め、引き続き検討が必要である。
検討2では、対象児について、漢字の読み書き学習における学習方略の自発的使用について検討した。学習方略の使用に関する評価は、伊藤・新藤(2003)を参考にチェックリストを作成し、対象児と学習支援者の双方により実施した。その結果、課題へのとりかかりが良い場合には、自発的なリハーサルや新奇の学習課題に対して既存の知識を活用する関連づけ方略でポイントが高く、学習準備行動が整わず、課題へのとりかかりが悪い場合には、特に関連づけ方略でポイントが低かった。
- ID情報
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- 課題番号 : 18K02502
- 体系的課題番号 : JP18K02502
この研究課題の成果一覧
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論文
2-
地域ケアリング 24(7) 95-101 2022年7月 査読有り筆頭著者
-
地域ケアリング 23(4) 81-85 2021年4月 査読有り筆頭著者
講演・口頭発表等
2-
日本LD学会第31回大会(京都) 2022年10月29日
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日本特殊教育学会第60回大会 2022年9月19日