共同研究・競争的資金等の研究課題

2011年 - 2014年

電荷によって誘起されるソフトマターの階層的秩序

文部科学省  科学研究費補助金(基盤研究(A))  基盤研究(A)

課題番号
23244088
体系的課題番号
JP23244088
担当区分
連携研究者
配分額
(総額)
49,530,000円
(直接経費)
38,100,000円
(間接経費)
11,430,000円
資金種別
競争的資金

研究代表者の瀬戸は研究協力者の貞包、長尾、及び本研究経費によって雇用した研究員のKuperkerと共に、3メチルピリジンなどの有機溶媒と水を混合した系や非イオン界面活性剤水溶液系に、塩を加えた時に見られる秩序形成について中性子小角散乱及び中性子反射率計を用いて調べた。その結果、陽イオンも陰イオンも親水性の塩を加えた時にはほとんど影響が現れないのに対して、一方のイオンが疎水性である「拮抗的塩」を加えた場合にはラメラ構造が形成されることを示した。またこのラメラ構造を安定化させる力は、親水性のイオンのイオン半径に依存することを示唆する結果を得た。瀬戸はこのほか、自発的に運動する水・油界面における秩序構造形成についても調べた。研究分担者の小貫は、水油界面が疎水性イオンと親水性イオンからなる塩の添加により不安定化する現象の解析を荒木と共に調べた。また臨界点近くでの選択的吸着をする壁近傍の相転移現象を岡本と理論的に研究した。これはいわゆる、capillary condensation の初めての解析的理論である。研究分担者の荒木は、ヤヌス粒子懸濁液の振る舞いを調べた。懸濁液を相分離させると、ヤヌス粒子は界面活性剤のように振る舞い、相分離構造の粗大化を抑制する役割を持つことが分かった。またヤヌス粒子が電荷を持つ場合には、粒子間の静電斥力によりさらに粗大化を抑制することを明らかにした。これに加えて、多孔質中のネマチック液晶の流動特性についても調べた。この系に電場を印加することで、液晶の欠陥構造を制御することができること、それに由来する複雑な流動特性が現れることを見出した。

リンク情報
URL
https://kaken.nii.ac.jp/d/p/23244088.ja.html
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-23244088
ID情報
  • 課題番号 : 23244088
  • 体系的課題番号 : JP23244088