論文

2017年4月

炭酸ランタン療法後の胃粘膜ランタン沈着の早期病理組織学的検出(Early Histologic Detection of Lanthanum Deposition in Gastric Mucosa after Lanthanum Carbonate Therapy)

臨床病理
  • Kimura Masatomo
  • ,
  • Kashida Hiroshi
  • ,
  • Enoki Eisuke
  • ,
  • Hasegawa Hirofumi

65
4
開始ページ
413
終了ページ
418
記述言語
英語
掲載種別
出版者・発行元
日本臨床検査医学会

炭酸ランタン療法(LC療法)中、胃粘膜にランタンが沈着した47歳男性の症例を報告した。患者は巣状糸球体硬化症と末期腎不全であり、LC療法が行われた。LC療法開始4年8ヵ月後の健康診断にて血液検査に異常がみられた。食道胃十二指腸内視鏡(EGD)にて胃底部に白色粒状粘膜が広がっていた。EGDはこれまでにも3回行われており(13、33、47ヵ月時)、最初の2回は注意をひかないピンクの褐色粘膜を検出し、後2回の内視鏡検査では胃底部の白色粘膜を検出した。胃粘膜は、1および4回目の内視鏡検査で生検を施行した。病理組織学検査は、ミネラル様物質を含有する組織球の集塊を示し、この物質の陰影レベルは、最初と比較して4回目の内視鏡検査の生検を行った組織で有意に高かった。生検を行った両方の標本の組織球集合とミネラル様物質のランタンの蓄積は、エネルギー分散的X線アナライザによる走査型電子顕微鏡を使用して確認した。ランタンは、12ヵ月の炭酸ランタン療法によって病理組織学的に検出可能な濃度で胃粘膜に蓄積したものと推定した。さらに、増加した蓄積は、内視鏡で白色胃粘膜をつくるように見えた。本症例において、ランタン沈着が炭酸ランタン療法の開始後12ヵ月という早期に病理組織学的に明白だったことを示すことを明らかにし、この沈着は炭酸ランタン療法の開始の46ヵ月後に、内視鏡検査により白い顆粒状粘膜として検出した。

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  • ISSN : 0047-1860
  • 医中誌Web ID : 2017275616

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