論文

2010年11月

昼間睡眠が夜間睡眠を補完していた事例

高齢者ケアリング学研究会誌
  • 江藤 祥恵
  • ,
  • 松田 ひとみ
  • ,
  • 高田 大輔

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記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
日本高齢者ケアリング学研究会

【目的】高齢者の不眠症を解決するための方策として、昼間の仮眠の効果が注目されている。本研究では、地域在住の活動的な高齢者の一事例を通して、前日の夜間睡眠が翌日の昼間睡眠に与える影響と当日の夜間睡眠との関係を明らかにすることを目的とした。【方法】地域在住の65歳の女性高齢者(A氏)に聞き取り調査とActiwatch-Lによる睡眠・覚醒リズム測定を行った。測定期間中、第1日目を除いた2日目から7日目までの昼間睡眠の当日と前日の夜間睡眠、昼間睡眠の時刻と所要時間を分析した。【結果】A氏の日常的な活動内容は家事であり、GDS-15得点は3点であった。Actiwatch-Lによる測定結果では、昼間睡眠は測定5日目に12時34分から57分間みられた。夜間の睡眠効率をみると、前日である4日目の夜間は76.9%と低く、当日である5日目は81.8%と回復していた。【結論】A氏の昼間睡眠の所要時間は、計画的な昼寝として支持されている30分を超えて長かった。これは前日夜間の睡眠効率の低下による影響が考えられた。すなわち、深夜帯に疲労回復に効果がある成長ホルモンの分泌が阻害されたことから、眠気が持ち越されていた可能性がある。本症例から、昼間睡眠が30分を超える場合には、高齢者が夜間睡眠の不足を補うために有益であると考えられ、この昼間睡眠が夜間睡眠の質を改善する可能性が見出された。(著者抄録)

リンク情報
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/40018989298
CiNii Books
http://ci.nii.ac.jp/ncid/AA12533333
URL
http://id.ndl.go.jp/bib/11235864
URL
http://search.jamas.or.jp/link/ui/2011138580
ID情報
  • ISSN : 2185-6753
  • 医中誌Web ID : 2011138580
  • CiNii Articles ID : 40018989298
  • CiNii Books ID : AA12533333

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