2018年12月10日
戦争と謝罪に関する日中対照研究
経済論集
- 巻
- 44
- 号
- 1
- 開始ページ
- 107
- 終了ページ
- 124
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(大学,研究機関等紀要)
- 出版者・発行元
- 東洋大学経済研究会
『日本語学論説資料』第54号転載。
本稿は、日本の天皇や首相が戦争の謝罪に用いた言葉(日本語)とその中国語訳を比較対照し、中国が下した評価を分析した。天皇は日中戦争を「不幸な出来事」「遺憾」という言葉を用いたが、中国がそれを「謝罪」と見なすか否かは、国内情勢によって異なる。「村山談話」と「安倍談話」は共に、「痛切な反省」「心からのお詫び」という言葉を用いたが、中国は、侵略や植民地の主体が「我が国」と明確な「村山談話」を謝罪とみなしたが、不明確な「安倍談話」は良い評価を与えなかった。中国は、田中角栄首相のスピーチにある「多大なるご迷惑」の中国語訳「麻煩」に対して強く反発したため、「日中共同声明」では日本が「反省」と言い換えた。
本稿は、日本の天皇や首相が戦争の謝罪に用いた言葉(日本語)とその中国語訳を比較対照し、中国が下した評価を分析した。天皇は日中戦争を「不幸な出来事」「遺憾」という言葉を用いたが、中国がそれを「謝罪」と見なすか否かは、国内情勢によって異なる。「村山談話」と「安倍談話」は共に、「痛切な反省」「心からのお詫び」という言葉を用いたが、中国は、侵略や植民地の主体が「我が国」と明確な「村山談話」を謝罪とみなしたが、不明確な「安倍談話」は良い評価を与えなかった。中国は、田中角栄首相のスピーチにある「多大なるご迷惑」の中国語訳「麻煩」に対して強く反発したため、「日中共同声明」では日本が「反省」と言い換えた。
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