2017年4月 - 2019年3月
高解像度古植生復元のための迅速かつ網羅的な植物有機分子化石解析方法の確立
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B)
- 課題番号
- 17K18016
- 体系的課題番号
- JP17K18016
- 担当区分
- 研究代表者
- 配分額
-
- (総額)
- 4,290,000円
- (直接経費)
- 3,300,000円
- (間接経費)
- 990,000円
- 資金種別
- 競争的資金
ガスクロマトグラフ質量分析計を用いた植物分子化石の迅速かつ簡便な解析のため 1) 分子化石ライブラリの作成, 2) ライブラリを利用したターゲット解析による古植生指標の導出、3) ノンターゲット解析による古植生・古環境指標分子の探索を行った。
1. 分子化石ライブラリ:白亜系堆積岩・近現世堆積物・生体/化石植物・標準物質の分析を行い、テルペノイド骨格をもつ植物由来分子化石のマススペクトルと保持時間情報を取得し、ライブラリに登録した。
2. ライブラリを利用した植生指標 HPP と ar-AGI の解析:マススペクトルの類似度のみに基づく自動同定を試みたところ偽陽性が頻発し、誤同定ピークの切り分けに労力と習熟を要した。保持指数を同定条件に加えることで誤同定は減少し、妥当な作業時間で解析結果が得られるようになった。熱熟成の著しく進行した試料など、対象化合物のピーク純度が低い場合には偽陰性も増加した。完全な自動化には至っていないが、マススペクトルと保持指数を組み合わせることで植物分子化石解析の大幅な省力化(半自動解析)が可能になった。得られたピーク面積から計算される植生指標の値は、従来の手動解析結果と同様に用いることができる。
3. 白亜系堆積岩抽出物の非ターゲット解析により、既知の植物バイオマーカーと挙動を共にする未知ピークを抽出した。そのうち一部は、マススペクトルの特徴から植物テルペノイド誘導体であることが示唆された。非ターゲット解析は新規指標分子の探索に有効であり、ライブラリの拡充とともに得られる情報の精度も高まることが期待される。
1. 分子化石ライブラリ:白亜系堆積岩・近現世堆積物・生体/化石植物・標準物質の分析を行い、テルペノイド骨格をもつ植物由来分子化石のマススペクトルと保持時間情報を取得し、ライブラリに登録した。
2. ライブラリを利用した植生指標 HPP と ar-AGI の解析:マススペクトルの類似度のみに基づく自動同定を試みたところ偽陽性が頻発し、誤同定ピークの切り分けに労力と習熟を要した。保持指数を同定条件に加えることで誤同定は減少し、妥当な作業時間で解析結果が得られるようになった。熱熟成の著しく進行した試料など、対象化合物のピーク純度が低い場合には偽陰性も増加した。完全な自動化には至っていないが、マススペクトルと保持指数を組み合わせることで植物分子化石解析の大幅な省力化(半自動解析)が可能になった。得られたピーク面積から計算される植生指標の値は、従来の手動解析結果と同様に用いることができる。
3. 白亜系堆積岩抽出物の非ターゲット解析により、既知の植物バイオマーカーと挙動を共にする未知ピークを抽出した。そのうち一部は、マススペクトルの特徴から植物テルペノイド誘導体であることが示唆された。非ターゲット解析は新規指標分子の探索に有効であり、ライブラリの拡充とともに得られる情報の精度も高まることが期待される。
- リンク情報
- ID情報
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- 課題番号 : 17K18016
- 体系的課題番号 : JP17K18016
この研究課題の成果一覧
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論文
1-
Researches in Organic Geochemistry 35(2) 11-35 2019年12月 査読有り招待有り筆頭著者