Research Projects

2007 - 2008

有機溶媒中での試験管内進化法による触媒探索

日本学術振興会  科学研究費助成事業 萌芽研究  萌芽研究

Grant number
19651098
Japan Grant Number (JGN)
JP19651098
Grant amount
(Total)
3,400,000 Japanese Yen
(Direct funding)
3,400,000 Japanese Yen

前年度までに、我々は有機溶媒中で機能する核酸触媒を試験管内進化法により創製する研究の手始めに有機溶媒可溶化核酸の調製に成功した。すなわち、オリゴ核酸15塩基にPEG(分子量1万)を修飾し、種々の有機溶媒に100μMまで問題なく溶解することが明らかになった。また、TTAGGGの6塩基からなるDNAをPEG修飾し、これが各種有機溶媒中で、4量体を形成しGカルテット構造を形成することをCDスペクトルにより確認した。
本年度は、この構造体とヘミンが水中で複合体を形成しルミノール反応を起こすことが報告されていたので、有機溶媒中でもこの現象が同様に起こるか検証した。その結果、メタノール中で、ルミノール反応が効率よく起こることを確認した。この結果により、核酸の構造体とヘミンが水中と同様に複合体を形成する能力をもち、さらに、触媒能力を維持できることを明らかにした。また、試験管内進化法で得られたディールズ・アルダー反応を触媒するDNAzymeについても、PEG修飾を行った。得られたハイブリッド体は、様々な有機溶媒に可溶化でき、水中と同じような触媒活性が観察できた。このようにPEG修飾により試験管内進化法で得られたオリゴ核酸が有機溶媒に可溶化され触媒活性をもつことがわかった。
さらにPEG修飾DNAプライマーを用いてDNAをPCR増幅できることが明らかとなった。触媒探索のための試験管内進化法ではDNAをPCR法で増幅して、触媒反応を行うDNAを選別する必要があるため、この方法の確立により有機溶媒中での試験管内進化法による触媒探索が可能であることが明らかとなった。

Link information
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19651098
ID information
  • Grant number : 19651098
  • Japan Grant Number (JGN) : JP19651098