共同研究・競争的資金等の研究課題

2016年4月 - 2021年3月

ロシア帝国統治下のムスリム社会における離婚・婚姻解消の法社会史的研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究(B)  若手研究(B)

課題番号
16K16926
配分額
(総額)
3,250,000円
(直接経費)
2,500,000円
(間接経費)
750,000円

1. 史資料の所在調査と収集について、報告者は、前年度からの課題であった、ロシア連邦カザン市とウファ市における作業を実施した。カザン市ではカザン連邦大学ロバチェフスキー名称学術図書館手稿・稀覯本室、ウファ市では特にバシコルトスタン共和国国民文書館を利用し、後者では計画通りオレンブルグ・ムスリム宗務協議会の公文書群から必要なものを写真撮影によって複写した。ウファ市では、ロシア科学アカデミー・ウファ連邦研究センター歴史言語文学研究所のアイブラト・V・プシャンチン所長とマルスィル・N・ファルフシャートフ研究員より助力を得た。
2. 史資料の読解と分析について、報告者は、特に交付申請書記載の研究課題(1)については前年度行なった口頭報告の結果を踏まえて再考し、国際ワークショップでの口頭報告、および国際カンファレンスに際して公刊された論集への寄稿というかたちで再度まとめた。研究課題(2)のための作業も行なったが、その結果の公開まで進めることはできなかった。
3. 研究結果の公開について、報告者は国際ワークショップで、「Muslim Marriages and Divorces in the Late Nineteenth-Century Volga-Ural Region」という口頭報告を行なった。その内容は、「法多元主義(legal pluralism)」の概念を使ってロシア帝国の法制度を説明することの適切性を、法制度のみならず、その運用実態から得られる情報もあわせ、議論するものである。報告者はこれを論文にまとめ、ロシア連邦オレンブルグ市で開催された国際カンファレンスの論集で公開した。
4. イスラーム法の専門家であるウラマーの研究を進める一環で、上述のファルフシャートフ研究員と共同研究を行ない、その研究成果を国際共編著の書籍『“My Autobiography” by Hasan `Ata' Gabashi in 1928: `Ulama' and Soviet Power』として公刊した。

ID情報
  • 課題番号 : 16K16926

この研究課題の成果一覧

書籍等出版物

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