2020年3月
尿毒症物質の血液透析除去率の向上を目指したタンパク結合阻害に関する基礎的検討
九州保健福祉大学紀要
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- 巻
- 21
- 号
- 21
- 開始ページ
- 47
- 終了ページ
- 52
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (学)順正学園九州保健福祉大学
ヒト血清アルブミン(HSA)への結合が強く高濃度になることが報告されている尿毒症物質であるインドキシル硫酸(IS)および3-カルボキシ-4-メチル-5-プロピル-2-フランプロパン酸(CMPF)がHSAに結合するのを阻害する物質を探索し、さらにその阻害効果をin vitroにて検討した。血清試料の調製および血清中各種成分の濃度測定血液試料は4名の健常成人より採取した。ISおよびCMPFのHSAへの結合に対するNSAIDsおよび遊離脂肪酸の阻害効果を調べるため、臨床治療濃度のブコローム、6-メトキシナフタレン-2-酢酸(6-MNA)、ナプロキセン、イブプロフェン、フルルビプロフェン、生体内濃度のオレイン酸を血清試料に添加し、これらの物質によりHSAから遊離されたISおよびCMPFの量を遊離形分率としてそれぞれ算出して評価した。その結果、ISの遊離形分率は6-MNA、ナプロキセン、イブプロフェン、オレイン酸により有意に上昇し、各上昇率はコントロールに対し1.90倍、2.05倍、1.25倍、3.20倍であった。CMPFの遊離形分率はブコローム、イブプロフェン、オレイン酸により有意に上昇し、各上昇率はコントロールに対し2.56倍、1.15倍、2.69倍であった。ブコロームおよびオレイン酸の併用によるCMPFの遊離形分率の有意な上昇がみられ、その上昇率は相加的であった。
- ID情報
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- ISSN : 1345-5451
- 医中誌Web ID : 2020214826