1997年 - 1997年
学習障害児における眼球運動制御と聴覚認知の研究
文部科学省 科学研究費補助金(重点領域研究) 重点領域研究
眼球運動は脳内で精密にコントロ-ルされており、微細な脳機能障害を検出できる。本研究者らは、antisaccade task,memory guided saccade taskの課題を用いて、健常成人、前頭葉の障害患者、パ-キンソン病、精神疾患患者、健康な小児において検討してきた(Fukushima et al 1988,1990,1994)。最近、Biscaldiらは、express saccadeの出現が多い人達に反射性のsaccadeの抑制困難が見られること、そして学習障害のdyslexiaの患者にこれらの所見が多く見られたことを報告している。従って今年度は、文部省の中間報告の定義による学習障害児(LD児群)7名においてexpress saccadeの出現を調べ、さらにantisaccade task,memory guided saccadetaskによって反射性saccadeの抑制機能を見るため、同年齢の健常児9名と比較した。結果は、LD児群も健常児群も課題をよく理解し、全体の80-100%の施行は解析可能であった。Express saccade(85-135msec)やantisaccade taskでの視標を見てしまうエラ-は多くの例で見られ、その出現率には両群間で有意差はなかった。しかし、antisaccade taskでの潜時はLD群では有意に遅れていた。M...
- リンク情報
- ID情報
-
- 課題番号 : 09207201
- 体系的課題番号 : JP09207201