MISC

2018年9月

重症大動脈弁狭窄症を合併し心破裂を生じた急性心筋梗塞の1例

心臓
  • 松尾 佑治
  • ,
  • 尾崎 和幸
  • ,
  • 高野 俊樹
  • ,
  • 渡邊 達
  • ,
  • 保屋野 真
  • ,
  • 柳川 貴央
  • ,
  • 小澤 拓也
  • ,
  • 柏村 健
  • ,
  • 南野 徹

50
9
開始ページ
1041
終了ページ
1046
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(公財)日本心臓財団

症例は82歳の女性。2年前に大動脈弁狭窄症(弁口面積1.0cm2)と診断され、経過観察されていた。今回、心不全を合併した前壁中隔の急性心筋梗塞を発症した。心エコーでは前壁中隔から心尖部の左室壁運動は低下し、左室-大動脈弁の最大圧較差は50mmHgであり、low-flow low-gradientと考えられた。緊急冠動脈造影では左前下行枝の完全閉塞を認め、経皮的冠動脈形成術にて再灌流を得た。クレアチンキナーゼは13109IU/Lまで上昇、心不全、循環動態の管理に難渋し、人工呼吸器や大動脈内バルーンパンピングを要した。集中治療室入室より数時間後に心破裂による心タンポナーデを生じ、外科的修復術を施行した。血行動態の改善を年的に、第5病日に経皮的大動脈弁形成術を施行、平均圧較差は29→24mmHgへ低下し、以後の循環状態は安定した。大動脈弁狭窄症を伴う急性心筋梗塞は心破裂の危険性が大きく、注意が必要である。また、大動脈弁狭窄症を合併した急性心筋梗塞において、大動脈弁に対する介入方法、時期の検討が必要である。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 0586-4488
  • 医中誌Web ID : S914190015

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