講演・口頭発表等

2016年

愛知県産米粉パンの膨化特性

日本調理科学会大会研究発表要旨集
  • 宇佐見 佳恵
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  • 伊藤 里佳子
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  • 佐藤 三恵
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  • 大和 佳純
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  • 島村 葵衣
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  • 筒井 和美
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  • 早瀬 和利
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  • 西成 勝好

開催年月日
2016年 - 2016年
記述言語
日本語
会議種別
主催者
日本調理科学会

【目的】近年,食生活の欧米化や農業人口の減少に伴い,米の消費量低下と余剰米の増加が著しい。この問題を解決するべく,パン・麺類などの小麦代替食品として米粉を用いた食品開発が盛んである。本研究では,食料自給率の向上と地産地消の推進を目的に,愛知県産米粉を用いて製パンし,その特性を膨化比・比容積などから調べた。<br>【方法】試料には平成25年愛知県豊田市産米粉(大地の風)を用い,米粉重量に対する加水量の添加の影響について調べた。米粉,無塩バター,食塩,グラニュー糖,ドライイースト,脱イオン水をミキサー(キッチンエイド製KSM7)で混和したものを米粉ドウとし,これを80gずつ特注メスシリンダーに入れ静置し,38℃下の膨化体積の変化を2時間観察した。実験開始時に対する観察時の体積の比を膨化比と定義し,平均値と標準誤差を求めた(n=5)。なお,加水比率は100,120,140,160,180,200wt%の計6種類である。同様の生地500gを焼き型(12×12×10cm)に計量し,200℃40分間焼成後,室温下で2時間放冷した。その後,重量と容積(菜種法)から比容積を求めた(n=3)。<br>【結果】米粉ドウの膨化比はいずれの加水比率においても経時的に増加したが,加水比率160%以上では約80分頃に減少した。最も膨化比が大きかったのは,加水比率が160%であった。発酵80分間後に焼成すると米粉パンの比容積は約3(cm3/g)であったが,内部には空洞が生じクラム体積は小さかった。これを改善するため,現在,添加物の影響や発酵前の試料前処理についての検討を行っている。<br> なお、本研究は科学研究費基盤研究(C)26350092の助成を受け,遂行された。

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.11402/ajscs.28.0_73