研究ブログ

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倫理面を考慮した異質性下での因果推論による教育のマーケティング (成果:途中)

下記は、科研費 基盤研究C「倫理面を考慮した異質性下での因果推論による教育のマーケティング」についての成果および途中経過をまとめています。

本研究の目的は、近年重要となっている教育機関などにとって異質な個人に効果的かつ倫理的なマーケティングの方法を理論分析、因果推論の手法の開発、実験による実証分析で明らかにすることである。具体的に理論研究では、近年問題となっている個人情報保護や、教育を扱う際に問題となってくる公平性の観点と、予算制約下で個々人の教育サービスの因果効果の最適化を行う数理モデルを構築し分析する。実証研究では、理論の含意に基づき因果効果を推定する新しい分析方法も開発する。さらに個人情報保護・公平性なども導入した分析法も考案し調査をする。最終的に、こうした成果を学会やインターネット上で発信し、さらに成果をもとに政策・システムを提言をする。

https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K02004/

 

【倫理面を考慮した異質性下での因果推論による教育のマーケティングに関する研究】

≪論文≫

1.Approaching the Social Dilemma of Autonomous Vehicles with a General Social Welfare Function
Takeshi Ebina, Keita Kinjo
Engineering Applications of Artificial Intelligence 2021年9月

https://doi.org/10.1016/j.engappai.2021.104390

 

2.Peak-end Rule among Similar Products: A Case-based Decision Approach
Keita Kinjo, Takeshi Ebina
Expert systems 2021年7月 (first) 

https://doi.org/10.1111/exsy.12763

 

3.Ebina, T., Kinjo, K. Paradox of choice and sharing personal information. AI & Soc (2021.10).

https://doi.org/10.1007/s00146-021-01291-0

 

 

≪学会発表≫

1.金城敬太,多目的最適化を利用した公平性な機械学習,知識ベースシステム研究会 / 人工知能学会 [編] 2020年8月28日 

https://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I030612128-00

 

2.金城敬太,海老名剛, 消費者のプライバシーと選択のパラドックスのもとでの企業戦略-Firm strategy with consumer privacy and paradox of choice

日本マーケティング学会 カンファレンス・プロシーディングス Vol.9

http://www.j-mac.or.jp/poster/dtl.php?ps_id=214

 

3.金城敬太,(2020). 公平な機械学習による市場セグメンテーションと利潤最大化

人工知能学会,第121回知識ベースシステム研究会(SIG-KBS), 5(02), 1-6, 2020-11-20

https://jsai.ixsq.nii.ac.jp/ej/index.php?active_action=repository_view_main_item_detail&page_id=13&block_id=23&item_id=10892&item_no=1

 

4.金城敬太(2021) 社会厚生関数を用いた公平な因果効果,  2021年度 人工知能学会全国大会(第35回)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/pjsai/JSAI2021/0/JSAI2021_2C3OS9a02/_article/-char/ja/

 

5.金城敬太(2021)機械学習における多様性と公平性に関する一考察, 人工知能学会 第123回 知識ベースシステム研究会(SIG-KBS)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsaikbs/123/0/123_04/_article/-char/ja/

 

6.金城敬太(2021) 機械学習による多様性を考慮した市場セグメンテーション-Diversity-aware market segmentation using machine learning,日本マーケティング学会 カンファレンス・プロシーディングス Vol.10

https://www.j-mac.or.jp/poster/dtl.php?ps_id=276

 

7.金城敬太(2022)類似度とネットワークを考慮した多様性に関する試論,2022年度 人工知能学会全国大会(第36回) 2022年6月17日

https://www.jstage.jst.go.jp/article/pjsai/JSAI2022/0/JSAI2022_4G1OS4a03/_article/-char/ja

 

8.金城敬太(2022)カテゴリー間の類似度を利用した多様性間の距離の提案とその応用,人工知能学会 第126回 知識ベースシステム研究会,2022年8月26日

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsaikbs/126/0/126_72/_article/-char/ja

 

9.金城敬太,宮内一(2022)多様性を考慮したマーケティングの機械学習による分析-教育に関するマーケティングを事例に,日本マーケティング学会(マーケティングカンファレンス2022),2022年10月16日

https://www.j-mac.or.jp/poster/dtl.php?ps_id=344

 

10.金城敬太,新たな多様性指標を用いたグラフニューラルネットワークによるリンク予測
2023年度 人工知能学会全国大会(第37回) 2023年6月7日

https://confit.atlas.jp/guide/event/jsai2023/subject/2P4-GS-11-03/detail?lang=ja

 

11.金城 敬太, 中澤 佑唯,新しいレーベンシュタイン距離を用いたカスタマージャーニーのパターン抽出と予測

人工知能学会研究会 第129回 知識ベースシステム研究会 2023年8月25日

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsaikbs/129/0/129_13/_article/-char/ja/

 

12.中澤佑唯, 金城 敬太,系列データの分析を用いたカスタマージャーニーのパターン抽出

日本マーケティング学会 カンファレンス・プロシーディングス Vol.12 2023年10月29日

https://www.j-mac.or.jp/poster/dtl.php?ps_id=388

 

 

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肥満に関する新たな行動モデリングとプロモーション最適化(成果)

下記は、科研費 若手研究B「肥満に関する新たな行動モデリングとプロモーション最適化に関する研究」についての成果および途中経過をまとめています。


https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-16K17203/

【肥満に関する新たな行動モデリングとプロモーション最適化に関する研究】


(1) 金城敬太, & 海老名剛. (2018). 連続空間上のバンディット問題とマーケティングリサーチ. SIG-KBS, 5(01), 35-39.

概要:Recently, Gaussian process-based Bayesian optimization is used for the optimization problem of black box function, which is also known as the bandit problem. We propose two expanded Bayesian optimization methods to solve the product development problem in a firm. In the first method, the purchasing data is already available to be used in the case. In the second method, we sequentially obtain the data. We verified both methods through simulations and by using real data.

(2)金城敬太,二重過程モデルの推定による肥満行動の分析と健康プロモーション,日本マーケティング学会 カンファレンス・プロシーディングス Vol.7, 2018年10月08日

概要: 近年、アメリカをはじめ中国など数多くの国で肥満が問題となっている。また日本においても沖縄県などの一部で肥満が増加しているという指摘があり問題となっている。医療費の増大を背景としてこうした肥満問題に対策を打つ必要がある。こうしたなか、肥満行動を分析するにあたり、人間の意思決定において合理的なプロセスと感情的なプロセスという二重過程を仮定する研究が注目されている。こうした研究を利用して、その要素であるセルフコントロールを想定したうえで、沖縄県における肥満行動に関する調査データを用いてその推定を行い、その結果に基づいた健康のプロモーションへの示唆を得える。具体的には、セルフコントロールが個々人の属性によってどのように変わるか、そしてそれらが何に影響を受けるのかを分析する。その結果を利用し、社会全体でそれを改善するために平等性や効率性などを考慮したうえでどのように最適化が可能かについて形式的に定義して議論する。最終的にどのような人々にどのようなプロモーションを行えばいいのかについての示唆を得る。


(3) Social Marketing with Equality: Optimization of Promotion Strategies with Social Welfare Functions,
金城敬太,海老名剛, 「マーケティングのデータ分析とモデリング・アプローチ研究部会」および「市場予測のための消費者行動分析研究部会」の合同部会,2017年,2017年11月,大阪府立大

ソーシャル・マーケティングなどで問題となる,平等性を考慮したマーケティングを行う方法について議論したものである.それに関しての最適化方法を議論し、
具体的に最適な介入方法を提案し、その量だけ介入を行った結果、平等性を実現することが明らかとなった.

(4)ブラックボックス型AIにおける最適なマーケティング戦略-ベイズ最適化の応用 ―Marketing Strategy Employing Bayesian Optimization with Black-box Functions―, 

金城敬太,海老名剛, マーケティングカンファレンス2017(日本マーケティング学会)   2017年10月

 人々の行動をモデリングするのに人工知能や機械学習の利用が盛んになっているこれらのモデリングを行ったのちにどのような介入が人々にとって最適になるかについて自動的に探し当てる方法としてベイズ最適化を用いた手法を提案した。これらはディープラーニングなどの人工知能のホワイトボックス化と関連している。


(5) 社会厚生関数を用いた健康に関する最適なソーシャル・マーケティング
金城 敬太、海老名剛,マーケティングカンファレンス2016(日本マーケティング学会)      2016年10月
 本研究では,健康意識に関するヘルス・プロモーションにおいて,セグメントごとに最適化する方法についての理論を構築し,調査・実験を行った.社会的な問題を解決する際には,通常の利潤最大化とは異なる目標が必要となる.特に,目標となる効果を平均値などで図るだけでは不平等が生じるといった問題がある.そこで,厚生経済学で用いられている社会厚生関数を用いて,さまざまな目標のもと最適なプロモーション政策を導く方法を提案した


(6) 沖縄県における肥満への経済・社会的要因からの影響-肥満解消のプロモーションに向けたオンライン調査にもとづく試論,   金城敬太,新垣あす葉,城間彩, 採録決定, 2017年 4月
 本研究では, 沖縄県における肥満に関連する要因を明らかにするために,様々な仮説をたててその検証を行った.その結果,年齢や性別,配偶者との同居が大きく関連していることが明らかとなった.それ以外にも母との同居や正月・旧正月への参加といった変数が有意に関連している.加えて,外食頻度やストレス度についても関連が高いことが明らかとなった.


(7)Case-based Decision Theory Model Matches Ideal Point Model: Application to Marketing Decision Support System,  金城 敬太、海老名剛 Journal of Intelligent Information Systems   accepted   2017年4月
 本研究では,意志決定のひとつの方法である事例ベース意志決定理論がある状況においてideal point modelに変換できることをしめした。これにより、人々が事例ベース意志決定を行っている際に、その様子を可視化して表示することでマーケティングなどのマネジメントへ応用できることを示した。



【関連する研究】

(1)人工知能における社会的な損失の最小化
金城 敬太、海老名剛 第109回 知識ベースシステム研究会(SIG-KBS)      2016年11月

(2) An Advertising Strategy using Consumption Externality and Forgetting in the Case of Japanese Electronic Books, 金城 敬太,海老名剛, Review of Socionetwork Strategies      2016年12月 

(3)Predicting Empirical Patterns in Viewing Japanese TV Dramas Using Case-Based Decision Theory,  金城 敬太、菅原慎矢, The B.E. Journal of Theoretical Economics  2016年6月

(4)Ebina, T., & Kinjo, K. (2017). Consumer confusion from price competition and excessive product attributes under the curse of dimensionality. AI & SOCIETY, 1-10.
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事例ベース意思決定の拡張による消費者モデリングとその応用(成果)

2013年4月より、"事例ベース意思決定の拡張による消費者モデル"(商学)、というテーマで日本学術振興会平成25年度 科学研究費に支援を受け,事例ベース意志決定の拡張に関する研究を行った.その成果を下記に示す.そのデータについても今後こちらに記していく予定です.(2015年3月時点).
(科研のデータベース)
https://kaken.nii.ac.jp/d/p/25780272.ja.html

人工知能において、事例ベース推論と呼ばれる推論方法が古くから研究されている.一方、それらを意志決定理論へと拡張したものとして、事例ベース意志決定理論が存在する.これらは理論的はItzhak Gilboらによって研究されてきている.しかし,これらの実証やマーケティングへの応用については研究が少ない.そこで本研究では,事例ベース意志決定理論の拡張や問題点を鑑みを試みながら,実証を行い,さらにマーケティングへの応用について考察する.以上の理論や実証をふまえて,具体的に消費者に対して,推薦や自動的な類似度の推定を行うシステムの構築についても行う.

下記はこれまでに得られた成果である.これ以外にも事例ベース意志決定理論と既存の意志決定理論を接続する方法についての理論的考察も行っている.これらについては随時報告する予定である.


【事例ベース推論および事例ベース意志決定理論】
(1)An Empirical Analysis for a Case-based Decision to Watch Japanese TV dramas
金城 敬太、菅原慎矢、CIRJEディスカッションペーパー      2014年9月
    <概要>事例ベース意思決定理論を拡張し,事例ベース意思決定を部分的に組み込んだ消費者モデルを構築した.さらに経験的な評価も導入した.これらをテレビ番組視聴行動に適用した結果,通常の線形な効用のモデリングよりもうまく予測できた.

(2)State-Dependent Choice Model for TV Programs with Externality: Analysis of Viewing BehaviorKinjo Keita , Ebina Takeshi,Journal of Media Economics, forthcoming      2014年 
   <概要>事例ベース意志決定理論というのは一種の状態依存であると考えられる.こうした状態依存的な意志決定と,他者の意志決定の影響すなわち外部性の影響に人々がさらされる状態で人々は最終的にどのような行動をするかについて,テレビ視聴についての実験的な調査とそのデータを用いて実証を行った.さらに,シミュレーションの結果、外部性の効果が非常に高いことが明らかになった.

(3)Too Many Attributes and Consumer's Dysfunction,
Ebina Takeshi Keita Kinjo, Frontiers in Artificial Intelligence and Applications, IOS Press, forthcoming (accepted in March 2014).
   <概要>事例ベース意志決定理論やideal Point modelなど製品の属性間の距離を用いた意思決定を行う場合,仮に属性に対するウェイトが等しい場合,属性が増加すればするほど,逆に選択確率が等しくなるという現象が理論的に明らかになった.

(4)消費者の事例ベース意志決定における重要属性の発見-アブダクションの応用

金城 敬太,尾崎 知伸,古川 康一,第2回マーケティングカンファレンス2013(日本マーケティング学会)      2013年11月
    <概要>事例ベース意思決定を行う消費者を想定し,仮に過去の購買データおよび新しく購入した購買のデータがあった場合に事例ベースの際に重要視する属性を検出する方法を提案した.これらをアブダクションシステムの中で実現し,シミュレーションデータにおいて重要属性を発見することができた.

(5)A Pricing Strategy with Consumption Externality when the Reference Group is LargeKeita Kinjo, Ebina Takeshi、Review of Socionetwork Strategies   7(1) 1-13   2013年6月  

    <概要>過去の事例以外にも消費者に影響を与える要素は多々ある.ここでは他者の行動としてマクロな外部性が消費者に影響を与えている状況を想定し、利潤が最大になる価格設定を行う方法を提案した.

(6)沖縄県における幸福度とその要因-経済関連の変数・家族・モバイルメディアと幸福度

金城 敬太、 伊佐玲香、伊波美咲,『沖縄国際大学経済論集』   9(1)    2015年3月

      <概要>商品間のみならず、消費者間の類似度によって、どのように幸福度が規定されつかについての考察を行っている.

【関連する理論研究】

(1)アナロジーを組み込んだルール発想推論によるスキル獲得支援金城 敬太、尾崎知伸、古川康一、原口誠、人工知能学会論文誌   29(1) 188-193   2014年1月   

     <概要>事例ベース推論は、類推(アナロジー)の一種である.この類推はさらに一種の発想推論として定式化することが可能であることを示した.それらを用いて、スキル発想支援についてのモデル化・知識発見を行った.

(2)製品関与度別のモバイル・アプリケーション選択構造

金城 敬太、東邦 仁虎、モバイル13研究論文集   39-43   2013年6月



(3)消費の外部性を考慮した書籍市場の分析-階層ベイズモデリングと市場シミュレーション.金城 敬太,海老名剛,知能と情報 : 日本知能情報ファジィ学会誌 : journal of Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics   25(2) 690-700   2013年5月


【2013年度以前の事例ベース意志決定理論に関する研究】

(1)事例ベース意思決定の階層化による消費者行動のモデル化とその検証

金城敬太、菅原慎矢、海老名剛、小暮厚之、「ノンパラメトリック統計解析とベイズ統計」研究集会      2013年3月
 <概要>事例ベース意思決定を行う消費者のモデルを拡張し,ベイズを用いて階層化を行うことで,異質性(heterogeneity)が存在する消費者モデルを構築した.消費財の分析に用いることで一般的な線形効用のモデルや、非線形な効用モデルよりも尤度が高くなることを示した.
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