片山 光弥
基本情報
- 学位
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修士(文学)(2019年4月 東京大学)学士(文学)(2017年4月 東京大学)
- 連絡先
- xxkomoyanxxgmail.com
- J-GLOBAL ID
- 202001012265596805
- researchmap会員ID
- R000013135
私は、批判期カントにおける科学哲学的な議論と伝統的形而上学批判の関係について研究しています。カントが『純粋理性批判』の「超越論的弁証論」において伝統的な形而上学を批判したことは有名ですが、その際カントが批判の基盤としたのが彼独自の立場である超越論的観念論です。超越論的観念論には様々な特徴づけがありえますが、この立場についての「公式見解」は『批判』の「超越論的感性論」において述べられていると考えてよく、そこでは空間・時間の(超越論的)観念性が主張されています。私の研究の主題は、この空間・時間の超越論的観念性の主張が「弁証論」における議論とどのように関連しているのかを調べることです。
こうした研究計画のもと、現在はもっぱら「感性論」解釈の研究を行っています。その際、「感性論」の議論がもつ科学哲学的な側面に注目し、同じ批判期カントの科学哲学的著作『自然科学の形而上学的原理』も参照しつつ、ニュートン的絶対空間・絶対時間説や空間・時間に関するライプニッツ的関係説との対比を重視しながら、カントの立場を明確化することを目指しています。科学哲学的な側面というと、カントの学説は一般相対性理論以降の物理学の発展によって擁護が難しくなったとの見方も強いですが、そうした現代の批判的視点も考慮に入れつつ、カントの議論を説得的に再構成することを試みています。
また、カントの伝統的形而上学批判についてより一般的な観点から考察すべく、現代哲学におけるメタ形而上学やメタ存在論の議論の参照も行っています。特に、近年では存在論的デフレ主義の源泉と位置づけられるカルナップの「経験主義、意味論、存在論」が、カントのメタ形而上学的議論を事柄の上で理解するための重要な示唆を与えていると考え、カントとカルナップの立場の共通性に注目しつつ、両者の議論の検討を行っています。
研究キーワード
6研究分野
1経歴
1-
2018年4月 - 2022年3月
学歴
3-
2019年4月 - 2022年3月
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2017年4月 - 2019年3月
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2013年4月 - 2017年3月
主要な受賞
1論文
5-
日本カント研究 23 14-24 2022年9月 査読有り筆頭著者
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論集 40 63-76 2022年3月 筆頭著者
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論集 39 73-86 2021年3月
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日本カント研究 21 1-11 2020年9月 査読有り筆頭著者
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論集 38 79-92 2020年5月 筆頭著者
講演・口頭発表等
8-
日本カント協会第48回大会 2023年11月11日
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カント研究会例会 2022年2月27日
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第48回ベルクソン哲学研究会 2021年9月12日
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哲学会 カントアーベント 2021年4月24日
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ワークショップ 表象と志向性の諸側面 2021年
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⽇本科学哲学会第53回⼤会 2020年10月10日
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日本カント協会第44回大会 2019年11月23日
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第11回BESETO哲学会議 2019年6月30日