共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

原子核乾板による宇宙線ミューオントモグラフィ技術の開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
18H03470
配分額
(総額)
17,290,000円
(直接経費)
13,300,000円
(間接経費)
3,990,000円

宇宙線ラジオグラフィは、宇宙線中に含まれる素粒子ミューオンが持つ極めて高い透過力を用いる事でX線では観測が出来ない巨大構造物(ピラミッド、原子炉、火山、建築物など)の内部を非破壊で可視化する技術であり、申請者らは写真フィルム型検出器「原子核乾板」による宇宙線ミューオンラジオグラフィ技術の開発を推進してきた。これまでに、2015年には福島第一原子力発電所2号機の内部状況の初めての可視化、2017年11月には、エジプトのクフ王のピラミッド内部に存在する未知の巨大空間の発見、などの成果を挙げている。本研究では、原子核乾板を用いて観測対象物の周囲または内部の複数地点からの同時観測により観測対象内部の3次元密度分布の可視化を可能とする「宇宙線ミューオントモグラフィ」の実現を目指す。
本年度は、検出器開発として、位置と角度の両面から高い精度が得られる両面塗布ガラス乾板の開発として異なる厚さの基材を用いた試験を開始した。また、実データ取得のためにエジプトのクフ王のピラミッド内部、イタリアのナポリの地下遺跡およびホンジュラスのコパン遺跡において複数地点でのデータ取得を実施し、一部の遺跡ではLiDAR等で取得された3次元形状データを解析に用いる方法についての検討を始めた。取得したデータの再構成については、遺跡だけではなく人工構造物も対象として、原子核乾板で検出した宇宙線ミューオンの飛跡情報を活用する3次元化再構成アルゴリズムの開発を進めた。

ID情報
  • 課題番号 : 18H03470