基本情報

所属
情報・システム研究機構 国立極地研究所 研究教育系宙空圏研究グループ 助教
学位
博士(理学)(名古屋大学)

J-GLOBAL ID
200901013377476622
researchmap会員ID
5000014828

研究課題と活動状況: (1)中間圏・下部熱圏領域の温度・密度変動の観測研究:中間圏・下部熱圏(Mesosphere Lower Thermospehre: MLT)領域は、温度や大気微量成分の鉛直分布を時間的に連続に観測することが極めて難しい領域であり、金属原子共鳴散乱ライダーはこれらを観測できる数少ない測器の一つである。MLT領域に層状に存在する金属原子の一つであるナトリウム原子の共鳴散乱を利用して、この領域の温度やナトリウム密度の鉛直分布を観測することにより、大気波動に対する温度場の影響、大気波動による温度やナトリウム密度の変化、さらに大気の鉛直運動や物質の輸送などの研究を行っている。(2)中間圏界面付近の大気重力波の観測研究:中間圏の大気大循環を駆動するエネルギーを運び込む役割を担っている大気重力波について、全天型大気光イメージャーを用いてこれを観測し、レーダー観測による風速データ、ライダー観測による温度データと合わせて解析することにより、その伝搬特性やエネルギー輸送過程を研究している。(3)極域中層・超高層大気の光学・電波複合観測研究:極域、特に南極昭和基地上空の成層圏から下部熱圏までの広い高度領域を総合的に観測することを目的として、現在、高機能ライダーと大型大気レーダーの開発が進められている。これらのうち特に、温度や大気微量成分密度の鉛直分布の時間変化を高い時間・高度分解能で詳細に観測するためのライダーの開発に主要メンバーの一人として参加し、研究を推進している。極域観測歴: 南極域:第51次南極地域観測隊(夏隊)(2009-2010)

論文

  63

MISC

  78

講演・口頭発表等

  87

学術貢献活動

  1

社会貢献活動

  102

メディア報道

  4

その他

  1
  • (1)2007-2009年に行ったナトリウム温度ライダー観測によって、日本上空のMLT領域の温度やナトリウム密度の鉛直分布の季節変化を明らかにし、学術論文として投稿した。また、米国のライダー観測研究グループと共同して比較研究を行うことにより、これらの緯度差・経度差等の議論を進めている。更に、2000-2003年に行われた南極昭和基地でのナトリウム温度ライダー観測によるデータの再解析を行い、極域独特の現象を再発見、発掘するべく、中緯度帯での観測結果と比較研究を始めている。特に、オーロラ粒子の降り込みに対するナトリウム層の応答について興味を持っている。(2)三角測量法によって波状構造の高度を決定するためのイメージャーを2地点観測と、人工衛星(れいめい)による大気発光層の鉛直輝度分布観測、さらにレーダーによる背景風観測、ライダーによる背景温度観測との共同キャンペーン観測を実施し、大気重力波によるエネルギー輸送および鉛直方向の物質輸送について、より定量的な観測研究を行った。また、カナダやドイツの研究者との共同研究として、ナトリウム温度ライダーによる観測結果を用いて、大気波動による温度変化から見積もられる大気の鉛直移動量と大気光の輝度変動を組み合わせて議論することにより、大気波動と物質輸送の関連を観測的に示す研究を行っている。(3)南極昭和基地は、極域における光学・電波複合観測拠点として様々な観測装置が配備されているが、地球大気と宇宙空間の境界とも言われるMLT領域の温度や密度の鉛直分布を高い高度分解能で観測できる測器は無い。この観測を実現するべく現在進行中の高機能ライダー(レイリーライダーと共鳴散乱ライダーの複合型ライダー)の開発に、主要メンバーの一人として参加し、より魅力的な観測が可能な装置の実現を目指して議論・開発を進めている。