共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2023年3月

斜面崩壊土砂の応力波伝播に着目した堆積ダイナミクスの解明とその評価手法の高度化

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究  若手研究

課題番号
21K14239
体系的課題番号
JP21K14239
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
4,680,000円
(直接経費)
3,600,000円
(間接経費)
1,080,000円
資金種別
競争的資金

本研究の目的は,実験的検討と数値解析的検討により斜面崩壊土砂の堆積ダイナミクスを明らかとし,崩壊土砂の到達範囲・衝撃力の新しい評価手法を検討,提案することである。
2021年度の研究実施計画は,実験的検討として,実規模スケールの土砂流下実験を実施し,崩壊土砂の堆積ダイナミクスを定量的に計測すること,数値解析的検討として,個別要素法(DEM)に地盤の粘着力を簡易的に導入した不飽和DEMモデルを開発し,実規模土砂流下実験の再現解析により解析モデルの妥当性を確認することである。数値解析にDEMを用いることで,低拘束圧下で大変形・破壊・衝撃等を伴う離散的な土砂流下現象を粒子レベル,粒子骨格レベル,崩壊土砂全体レベルまでマルチなスケールで現象を観察できるため,斜面崩壊土砂の堆積ダイナミクスの理解を促進することが期待できる。
実験では,実規模スケールの土砂流下実験として,高さ約30m,勾配50度の斜面において,50立米の湿潤土砂を流下させる実験を計画どおり実施できた。斜面から平坦部にかけて障害物がない流下土砂の到達距離を調べるケースと,斜面法尻に待受け対策工を設置して壁面衝撃力を計測するケースを実施した。実験では,高速度カメラ撮影とPIV画像解析により,斜面上および平坦部の土砂表面流速を計測し,SfM画像処理技術により流下土砂の最終堆積形状の三次元モデルを生成した。また,感圧シートにより待受け構造物に作用する衝撃圧分布を計測した。
数値解析では,効率的に検討を進めるために計算コストと不飽和土の再現性を両立するモデルとして,地盤の粘着力を簡易的に導入した不飽和DEMモデルを開発することができた。また,解析モデルの妥当性を確認するために,実規模土砂流下実験で得られた土砂表面流速,最終堆積形状,壁面衝撃圧力分布と比較し,開発した数値解析モデルが実験の各種計測項目を概ね再現できることを示した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K14239
ID情報
  • 課題番号 : 21K14239
  • 体系的課題番号 : JP21K14239

この研究課題の成果一覧

論文

  7

MISC

  2

講演・口頭発表等

  27

学術貢献活動

  1