2020年4月 - 2023年3月
地域コホートによる健康寿命に関連する要因の探索-集団アプローチの開発に向けて-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
健康寿命延伸は公衆衛生上の重要な課題である。健康寿命は日常生活を自立して行える期間とも定義され、「日常生活非自立」となる原因疾患の約半数は認知症及び脳卒中である。これらの疾患の予防は当然ながら重要である。しかし、健康寿命や機能予後を客観的に評価するためには対面での調査が必要なことから、修正可能な危険因子や予測因子に関するこれまでの知見は十分とは言えない。
本研究では既存コホートを用いて、健康寿命と危険因子との関連、健康寿命・認知症の発症予測因子の検討を行うことと、健康寿命延伸のための集団アプローチを評価可能な新たな縦断研究の立ち上げの準備を行うことも目的としている。しかし、新型コロナウィルスのパンデミックによって、研究活動の制限が継続しており、2021年度も追跡調査などの研究活動の大部分について中断を余儀なくされた。
収集済みデータを用いて追加の解析を行い、以下の成果を公表することができた。
ストレス対処行動と将来の機能予後については、本年度は追加で詳細な解析を実施し、成果をGerontologyで公表した。日常生活での日常生活での出来事に対して「良い方向に解釈する」あるいは「解決するように取り組む」と回答した人は将来の機能予後低下のリスクが低いことを明らかにすることができた。このことからストレス対処行動の改善によって将来の機能低下のリスクを改善できる可能性が示唆された。
動脈硬化などの潜在性慢性炎症の指標の一つである高感度CRPと将来の機能予後についても、本年度は詳細な解析を行い、成果をJ Atheroscler Thrombで公表した。高感度CRPが高いほど将来の機能予後低下のリスクが高いこと、喫煙、糖尿病、脂質異常の有無にかかわらず同様の結果であった。これらのことから、高感度CRPは将来の機能予後低下の予測因子であることを明らかにできた。
本研究では既存コホートを用いて、健康寿命と危険因子との関連、健康寿命・認知症の発症予測因子の検討を行うことと、健康寿命延伸のための集団アプローチを評価可能な新たな縦断研究の立ち上げの準備を行うことも目的としている。しかし、新型コロナウィルスのパンデミックによって、研究活動の制限が継続しており、2021年度も追跡調査などの研究活動の大部分について中断を余儀なくされた。
収集済みデータを用いて追加の解析を行い、以下の成果を公表することができた。
ストレス対処行動と将来の機能予後については、本年度は追加で詳細な解析を実施し、成果をGerontologyで公表した。日常生活での日常生活での出来事に対して「良い方向に解釈する」あるいは「解決するように取り組む」と回答した人は将来の機能予後低下のリスクが低いことを明らかにすることができた。このことからストレス対処行動の改善によって将来の機能低下のリスクを改善できる可能性が示唆された。
動脈硬化などの潜在性慢性炎症の指標の一つである高感度CRPと将来の機能予後についても、本年度は詳細な解析を行い、成果をJ Atheroscler Thrombで公表した。高感度CRPが高いほど将来の機能予後低下のリスクが高いこと、喫煙、糖尿病、脂質異常の有無にかかわらず同様の結果であった。これらのことから、高感度CRPは将来の機能予後低下の予測因子であることを明らかにできた。
- ID情報
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- 課題番号 : 20K10484
- 体系的課題番号 : JP20K10484