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2015年5月

【看護学からみた社会精神医学の可能性】 看護学からみた社会精神医学の可能性 支援や治療を受け入れにくい精神障害者への自治体保健師の支援から

日本社会精神医学会雑誌
  • 新村 順子

24
2
開始ページ
177
終了ページ
183
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(一社)日本社会精神医学会

本稿では、自治体保健師による、未治療や治療中断の精神障害者への支援の側面から、日本社会精神医学会への期待について述べた。精神障害者の地域生活促進に向けて、保健師は貢献してきたが、1994年の保健所法から地域保健法の改正、その後の市町村合併などにより、保健師の地区活動、特に家庭訪問を主体とした個別支援の量や質を維持していくことが非常に難しい状況があった。現在地域精神保健の領域では、医療機関や様々な民間事業所が家庭訪問を含めた支援を行っている。しかし支援や治療を受け入れにくい未治療や医療中断者においては、契約を前提としない支援を提供可能な自治体保健師の役割は大きいと考える。また、未治療や治療中断事例への支援においては、当事者の権利擁護の配慮を十分に行うことが必要である。権利擁護に関わる、精神科医療や社会復帰を担っている関連領域の専門家たち、また当事者や家族と議論をしていくことが求められ、日本社会精神医学会が、その議論の根拠となるエビデンスを生み出し、広く深く検討できる場となることを期待している。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 0919-1372
  • 医中誌Web ID : 2015258301

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