研究ブログ

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RSC Advancesに論文が掲載されました(2022年11月)。

RSC Advancesに論文が掲載されました(2022年11月)。

ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)に対して、背圧(真空到達度)を変えてプラズマ処理することで、PTFE表面の官能基比率を任意に制御できることを報告しました。

高周波特性を維持しつつ接着性を付与することも可能ですし、Na薬剤処理のようにCF2を全て無くして接着性のみを高めることも可能です。 

ご興味を持たれた方はご一読下さい。

“Flexible selection of the functional-group ratio on a polytetrafluoroethylene (PTFE) surface using a single-gas plasma treatment”

Y. Ohkubo, Y. Okazaki, M. Nishino, Y. Seto, K. Endo, and K. Yamamura

RSC Advances, Vol. 12, No. 48, pp.31246–31254, (2022-11)

Doi: 10.1039/D2RA04763B

URL:https://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2022/RA/D2RA04763B

*ゴールドオープンアクセスの論文ですので、どなたでも自由に閲覧することできます。

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Polymersに論文が掲載されました(2022年1月)。

Polymersに論文が掲載されました(2022年1月)。

ガラスクロスで補強されたポリテトラフルオロエチレン(GC-PTFE)に対してAr+H2Oプラズマ処理して表面を活性化させ、ステンレス鋼(SUS304)と直接接着できることを報告しました。

接着剤無しにも拘らず、GC-PTFE/SUS304接着強度は1 N/mmを超えました。

 

また、GC-PTFEとガラスクロスを含まない純PTFEを比較し、脆弱層(Weak Boundary Layer:WBL)を持たないGC-PTFEはWBLの除去が不要であるため、WBLを持つ純PTFEよりも短時間のプラズマ処理で接着強度が高くなることも報告しました。

 

ご興味を持たれた方はご一読下さい。

“Adhesive-free adhesion between plasma-treated glass-cloth-containing polytetrafluoroethylene (GC-PTFE) and stainless steel: Comparison between GC-PTFE and Pure-PTFE”

M. Nishino, Y. Okazaki, Y. Seto, T. Uehara, K. Endo, K. Yamamura, and Y. Ohkubo

Polymers, Vol. 14, No. 3, Art. no. 394 (pp.1-15), (2022-01)

Doi: 10.3390/polym14030394

URL: https://www.mdpi.com/2073-4360/13/23/4266

*ゴールドオープンアクセスの論文ですので、どなたでも自由に閲覧することできます。

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Polymer Journalに論文が掲載されました(2022年1月)。

Polymer Journalに論文が掲載されました(2022年1月)。

フッ素樹脂(PTFE)の脆弱層(Weak Boundary Layer:WBL)を断面観察し、WBLのおおよその厚さが数μmであることを報告しました。

WBLの考え方については、1967年にJ.J. Bikerman氏によって提唱されており、表面形態観察からPTFEの表面にもWBLが存在することは知られていましたが、実際にPTFEのWBLの厚さを測定した報告はありませんでした。

PTFEのWBLは、接着阻害の要因の1つであり、接着する際にWBLが残存していると、PTFEと被着体の界面では接着しても、剥離の際にWBL内で簡単に破壊が起こり、低い接着強度しか得られません。

これまでに熱アシストプラズマ処理によって酸素を含む官能基を付与するだけでなく、WBLの除去・修復を同時に行なっていましたが、WBLの厚さが不明であったため、どれぐらい熱アシストプラズマ処理すればよいか不明でした。

今回、WBLのおおよその厚さが判明したため、熱アシストプラズマ処理のエッチングレートがわかっていれば、最適なプラズマ処理時間を予測することが可能になりました。

 

“Cross-sectional observation of a weak boundary layer in polytetrafluoroethylene (PTFE) using scanning electron microscope”

Y. Seto, M. Nishino, Y. Okazaki, K. Endo, K. Yamamura, and Y. Ohkubo

Polymer Journal, Vol. 54, No. 無し, pp.79-81, (2022-1)

Doi: 10.1038/s41428-021-00535-6

URL: https://www.nature.com/articles/s41428-021-00535-6

*オープンアクセスではないため、無償で論文をダウンロードできませんが、Web上であればどなたでも自由に全文を閲覧することが可能です。

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Polymersに論文が掲載されました。

Polymersに論文が掲載されました(2021年12月)。

フッ素樹脂(PTFE)に対して熱アシストプラズマ処理する際に、HeガスとArガスでどのような違いが現れるかを調査し、報告しました。

Heガスを使用した場合は、接着剤を使用した間接接着でも、接着剤を使用しない直接接着であっても非常に高い接着強度が得られました。

一方、Arガスを使用した場合は、接着剤を使用した間接接着では非常に高い接着強度が得られましたが、接着剤を使用しない直接接着では高い接着強度が得られませんでした。

この違いは、酸素を含む官能基の割合が異なることに起因していることが明らかになりました。

ガスクラスターイオンビーム(GCIB)を使用したソフトなエッチングとX線光電子分光(XPS)測定を交互に繰り返すことで、プラズマ表面改質深さを測定したユニークな論文になっています。

ご興味を持たれた方はご一読下さい。

“Effects of He and Ar heat-assisted plasma treatments on the adhesion properties of polytetrafluoroethylene (PTFE)”

Y. Ohkubo, Y. Okazaki, M. Nishino, Y. Seto, K. Endo, and K. Yamamura

Polymers, Vol. 13, No. 23, Art. no. 4266 (pp.1-14), (2021-12)

Doi: 10.3390/polym13234266

URL: https://www.mdpi.com/2073-4360/13/23/4266

*ゴールドオープンアクセスの論文ですので、どなたでも自由に閲覧することできます。

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プレスリリース「接着剤レスでフッ素樹脂と超平滑Cu箔を強力接着」のお知らせ

大阪大学大学院工学研究科-物理学系専攻・精密工学コース 教授の山村先生らと共に、超平滑なCu箔とフッ素樹脂(PTFEおよびガラスクロス入りPTFE)を強力接着する新技術についてプレスリリースしました。

日時:2021年9月3日(金)

タイトル:接着剤レスでフッ素樹脂と超平滑Cu箔を強力接着 -Beyond 5G時代に必須の「基板」に-

URL: https://www.eng.osaka-u.ac.jp/wp-content/uploads/2021/06/5fe9ad2c50ffb4f7b3e458e61f4163bf.pdf

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オンラインセミナー「5G/Beyond5G/6G、高周波対応に向けた フッ素樹脂の接着性向上と多層化・ビルドアップ基板への展開」のお知らせ

2021年9月30日(木)にサイエンス&テクノロジーが開催する技術セミナー「高周波対応基板のための樹脂・銅の密着性向上技術」にて講師を務めます。

講演者名:大久保雄司 (助教)

講演タイトル:高周波用プリント基板としてのフッ素樹脂の長所・短所および接着性を改善する表面処理技術

日時:2021年9月30日(木) 10:30-12:00

場所:無し(Zoomウェビナーによるオンライン形式のセミナーです)

参考URL:https://www.gijutu.co.jp/doc/s_007405.htm

 

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プレスリリース「銀ナノ粒子で樹脂素材に抗菌/抗ウイルス性を付与」のお知らせ

大阪大学大学院工学研究科ビジネスエンジニアリング専攻-准教授の清野先生らと共に、樹脂表面に対して抗菌/抗ウイルス性を付与する新技術をプレスリリースしました。

日時:2021年6月22日(火)

タイトル:銀ナノ粒子で樹脂素材に抗菌/抗ウイルス性を付与 -銀ナノ粒子を樹脂表面に直接固定化する新技術-

URL: https://www.eng.osaka-u.ac.jp/wp-content/uploads/2021/06/5fe9ad2c50ffb4f7b3e458e61f4163bf.pdf

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日本接着学会誌に論文が掲載されました。

日本接着学会誌に論文が掲載されました(2020年10月)。

フッ素樹脂(PTFE)に対して熱アシストプラズマ処理する際に、電極-試料(PTFE)間の距離をどこまで離せるのかを調査し、報告しました。

これまでは電極-試料(PTFE)間の距離を1 mmに固定していましたが、本論文において最大で10 mmまで広げてたところ、高い接着性を維持しつつ5 mmまで広げられることが明らかになりました。

これまでは、厚さが均一のシートや基板のみがプラズマ処理の対象となっておりましたが、本論文の調査結果より、4 mm以内の凹凸があるシートや基板にも処理できる可能性が示唆されました。

“熱アシストプラズマ処理の接着性向上効果に対する電極-試料(PTFE)間距離の影響”

中川哲哉, 西野実沙, 遠藤勝義、山村和也, 大久保雄司

日本接着学会誌, Vol. 56, No. 10, pp.389-396, (2020-10)

*オープンアクセスではないため、どなたでも自由に閲覧することできません。なお、日本接着学会の会員の方は、会員用マイページよりバックナンバーを自由に閲覧可能ですので、本論文も閲覧可能となります。

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2つの発明が特許登録されました。

1.

電子線照射還元法で樹脂基板上にPt粒子を固定したコンタクトレンズ用H2O2分解触媒に関する発明が登録されました。

発明の名称:コンタクトレンズ消毒用過酸化水素の分解触媒およびその製造方法

発明者:大久保雄司、山村和也、清野智史、青木智紀、森理

・2016年03月 特許出願:特願2016-045312

・2017年09月 特許公開:特開2017-159228

・2020年05月 特許登録:特許第6710409号

 

2.

熱アシストプラズマ処理に関する最初の発明がようやく登録になりました(出願から5年9ヶ月もかかりました)。

発明の名称:表面改質成型体の製造方法、及び該表面改質成型体を用いた複合体の製造方法

発明者:山村和也、大久保雄司、石原健人、柴原正文、長谷朝博、本田幸司

・2014年09月 特許出願1:特願2014-181663

・2015年09月 特許出願2:特願2015-175199(1年以内に実施例追加)

・2016年04月 特許公開:特開2016-056363

・2020年06月 特許登録:特許第6715461号

 

*詳細については、特許情報プラットフォーム(J-Plat-Pat)の簡易検索で特許登録番号(7桁の数字)を入力して検索ボタンを押せば閲覧可能です。

 

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JJAPに論文が掲載されました。

日本応用物理学会の学会誌(Jpn. J. Appl. Phys:JJAP)に論文が掲載されました(2020年7月)。

フッ素樹脂(PTFE)に対してプラズマ処理する際に、アルゴンガスに水蒸気を添加することでAg膜との接着性が大幅に向上することを報告しました。

「大気開放下」でのプラズマ処理というところがポイントです。

真空引き無しでプラズマを発生させ、そのままプラズマ処理できるため、チャンバーフリーで連続処理にも適しています。

“Open-air-type Ar + H2O plasma treatment of fluoropolymer (PTFE) for improvement in Ag/PTFE adhesion strength: Application to highly adhesive Ag direct wiring patterns”

Y. Ohkubo, Y. Kodama, M. Nishino, T. Oshita, T. Uehara, K. Endo, and K. Yamamura

Jpn. J. Appl. Phys., Vol. 59, No. 7, Art. no. 077004 (pp.1-8), (2020-6)

Doi: 10.35848/1347-4065/ab9cd7

*オープンアクセスにしておりますので、どなたでも無料で自由に閲覧可能およびダウンロード可能です。ご興味のある方は、下記のURLよりアクセスして下さい。

https://iopscience.iop.org/article/10.35848/1347-4065/ab9cd7

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