共同研究・競争的資金等の研究課題

2001年4月 - 2003年3月

化学反応波が励起するラセン状対流波の階層的自己組織化構造の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(C)

配分額
(総額)
3,700円
(直接経費)
0円
(間接経費)
0円
資金種別
競争的資金

本研究では、Belousov-Zhabotinsky(BZ)反応溶液中に化学反応波を励起し、その中で自己組織的に形成される対流波の発生メカニズムの解明を目指した。バッチリアクター内に励起したラセン状化学反応波は、反応容器中で30-40分ラセン状化学反応を伝播し続ける。この過程で、ラセンパターンが反応容器全体に広がった後に振動的対流減少が観測される。これに伴い、化学反応波の波長(約1mm)に比べてかなり波長の長い、対流の動的な秩序構造が発生する。これは対流波(flow wave)と呼ばれ、波長は数cmに及ぶ。従来の知見では、対流波は反応容器の周辺で発生し、ラセン状化学反応波の中心に向って伝播する事が知られていた。本研究で実験的に明らかとなったことは、 1)ラセン波の中心で発生し、容器周辺に向って伝播する対流波(円形状、ラセン状)が存在する(平成12年度)、 2)種々の対流波のパターンの出現が、一種の分岐現象で理解できる事を示し、マロン酸とブロムマロン酸を制御変数とする