2012年6月30日
被災地域の取り組みの状況を海外に正確に伝えるウェブサイトの運用と効果検証
被災地域の取り組みの状況を海外に正確に伝えるウェブサイトの運用と効果検証
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
付録(別ファイル): ページビュー記録 "20111001-20111031.pdf" - "20120301-20120331.pdf" 計6ファイル.東日本大震災に見るように被災地の状況および復旧に関する情報は災害の非日常性,専門性,受け手の不安感などによってとりわけ海外においては正確に理解されにくい.一方,インターネットは多様な主体間の相互理解に不可欠な社会基盤となっているが,その効果は必ずしも十分に検証されていない.そこで被災地の状況及び復旧を英語で伝えるウェブサイトを構築し,モニタを集めて調査を実施し,反応を得ることで,被災地の状況に対し,文化的・言語的フィルタを通して理解がなされる場合のコミュニケーションの困難性や対処策を明らかにしようとした.具体的には,遠隔地から被災地支援に貢献したいと考える市民団体に,被災地支援団体のブログ記事などを英語に翻訳してもらい,独自に構築したウェブサイトより発信していく一種の社会実験を行った.同時に留学生や海外の研究者等にモニタになってもらい,レスポンスを求めた.結果としてモニタリングのみならず翻訳プロセスも含め,災害を正確に伝えることの困難に直面した.地域の特徴,方言に込められたニュアンスを理解し,被災者の受け止め方の多様性を理解する必要があった.翻訳団体やサイト運営者など多様な主体の間でこの認識を共有していくプロセス自体が観察に値するものとなった.モニタリング結果からは被災地の状況を一片の記事だけで理解することは難しく,双方向的なコミュニケーションの重要性を再認識するとともに,この観点からウェブサイトの効果検証のあり方についても有効な知見を得た.
- リンク情報
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- CiNii Articles
- http://ci.nii.ac.jp/naid/120005308063
- ID情報
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- CiNii Articles ID : 120005308063
- identifiers.cinii_nr_id : 1000020207038